白ワインのブドウ品種

白ワインのブドウ品種「ゲヴュルツトラミネール」の特徴は?「飲む香水」と言われる理由も

 

イタリア発祥の白ブドウ品種、ゲヴュルツトラミネール。

その魅力は、「一度飲むと忘れられない」と言われるほどの強い香り。

日本での流通量はあまり多くないものの、熱狂的なファンが多く存在する魅惑の品種です。

 

香りのインパクトとは裏腹に、酸が控えめで飲みやすい味わい。

ワイン初心者の方にもおすすめの白ブドウ品種です!

 

今回は、「白ワインのブドウ品種『ゲヴュルツトラミネール』の特徴は?『飲む香水』と言われる理由も」をご紹介。

最高品質のゲヴュルツトラミネールが生まれる「栽培に適した産地」なども詳しく解説しています!

皆さんがゲヴュルツトラミネールの魅力を知る第一歩になれば嬉しいです。

 

ゲヴュルツトラミネールが「飲む香水」と言われる理由

ゲヴュルツトラミネールをよく表す言葉「飲む香水」。

「ワインなのに香水?」となかなかパンチのある表現ですよね。

 

ゲヴュルツトラミネールが「飲む香水」と言われる理由は、品種特有の「強烈で華やかな香り」から。

世界で最も香り高いワインの1つと言われています。

 

主に、「バラ」「ライチ」に加え「ジンジャー」や「シナモン」のようなスパイスの香り。

ボトルの栓を抜いた瞬間に香りがブワッと湧き出るので、試飲しなくても「ゲヴュルツトラミネールだ」と分かるほどです。

まさに「飲む香水」という表現がピッタリですよね。

その甘い香りと口当たりまろやかでフルーティーな味わいが飲みやすく、女性にとても人気の品種なんですよ。

 

ただ甘い香りが強いだけでなく、香り自体も女性に人気の香水のノート(香り成分)に似ています。

香った瞬間に印象的なのは、バラやトロピカルフルーツの華やかで妖艶な香り。

その奥に、ジンジャーやシナモンのスパイシーなニュアンスやほのかな苦みが隠れています。

香りが複雑に絡み合い、香水のような奥深さを演出していますよ。

 

ゲヴュルツトラミネールの特徴

では、本題となる「ゲヴュルツトラミネールの特徴」を4つのポイントで徹底解説していきます!

 

1つ目は、特徴的な品種名。

個性的な名前は、「ゲヴュルツ=スパイス(ドイツ語)」と イタリアのブドウ品種「トラミナー」が由来。

ゲヴュルツトラミネールはトラミナーが突然変異して生まれた品種で、1600年代にはすでに誕生していたと考えられます。

つまり、「スパイシーな香りがするトラミナー」という意味ですよ!

 

2つ目は、非常に香りの強いアロマティック品種であること。

ゲヴュルツトラミネール最大の特徴といえば、嗅ぐだけで品種が分かってしまうほどの個性的な香り。

ライチの香りをメインに、バラの香り・シナモンやジンジャーなどスパイスの香りが混ざって良いアクセントになっています。

 

3つ目は、スパイス感と苦味のある味わい。

香り同様、味わいにも濃厚な果実感とスパイシーな心地よい苦味の余韻があります。

酸味控えめで滑らかな口当たりのフルーティーな味わいは、ワイン初心者の方にも飲みやすいです!

 

4つ目は、薄ピンク色の白ブドウであること。

白ブドウといえば「マスカット」のような黄緑色が多いですが、ゲヴュルツトラミネールは皮が灰色がかったピンク色をしています。

一見すると、黒ブドウだと勘違いする方もいるかもしれません。

ゲヴュルツトラミネールで造ったワインは他の白ワインよりも黄金色で、熟成が進むと濃い琥珀色やオレンジがかった色調になっていくことがありますよ。

 

4つの特徴、いかがでしょうか?

ゲヴュルツトラミネールを代表する特徴は、「一度飲んだら忘れられない」と評されるほどの華やかな香りなんですね!

 

復活のブドウ「マラグジア」に似ている

1970年〜1980年代に一度絶滅しかけた歴史から「復活のブドウ」と言われるマラグジア。

イタリア発祥のゲヴュルツトラミネールは、このギリシャ固有品種「マラグジア」にもよく似ています。

逆に、マラグジアは「ギリシャのゲヴュルツトラミネール」と称されることもあるようです!

 

共通点は3つで、「香り強いアロマティック品種」「酸が控えめ」「スパイシーな料理やエスニック料理との相性が良い」。

 

最も似ているのは、豊かな香り。

ブドウ本来の香りが強い「アロマティック品種」に分類され、ワインボトルから溢れ出るボリューミーな香りをしています。

果実やバラのようなニュアンスの香りが似ていますが、ゲヴュルツトラミネールには「スパイス感」があり、マラグジアには「ハーブ感」がありますよ。

 

味わいに関しても、「酸味が控えめ」で「まろやかな口当たり」が共通しています。

ゲヴュルツトラミネールの方が甘みを感じやすく、マラグジアの方が特有のハーブ感からすっきりとした印象を感じやすいです。

 

また、ゲヴュルツトラミネールもマラグジアも相性の良い料理が似ています。

ワイン自体にエキゾチックな香りが強いので、スパイスやハーブを沢山使った「アジアン料理」や「エスニック料理」と抜群のペアリングですよ!

 

日本での流通量が少なく知名度の低いマラグジアですが、世界にはその味を好む通なファンもいます。

マラグジアがお好きな方は、ゲヴュルツトラミネールの風味や香りも好みかもしれません ♪

 

ゲヴュルツトラミネールの特徴からわかる「栽培に適した産地」

ゲヴュルツトラミネールの栽培に適しているのは、「冷涼で乾燥した気候」「石灰質・粘土質土壌」の特徴がある地域。

中でも「聖地」と呼ばれるのは、フランス北東部の「アルザス地方」です。

 

ゲヴュルツトラミネール最大の特徴は、華やかなアロマ(香り)。

アルザス地方の土壌は、水はけが良い「石灰質土壌」と、保湿力が高い「粘土質土壌」が接妙なバランスで混ざっています。

水はけが良い土壌では水分不足になる分「甘みが凝縮したブドウ」になり、 乾燥した夏でも下層の水を保持できる泥灰土によってブドウが枯れずに「ゆっくり成熟」できるのです。

よって、ゲヴュルツトラミネール特有の豊かな香りと凝縮感が最大限に引き出されたブドウが収穫できます!

 

また、ゲヴュルツトラミネールは「酸」が抜けやすいため、冷涼な気候の方が「酸」を保ったまま糖分とのバランスが良い高品質なブドウに。

空気が乾燥していることで、湿気から発生する「灰色カビ病」「ベト病」「貴腐病」などの病害を防ぐことができます。

 

アルザス地方の環境条件は、栽培場所を選ぶ「気難しい性質」のゲヴュルツトラミネール品種によく合っているのですね!

ゲヴュルツトラミネールの特徴が最大限引き出されたワインをぜひお試しあれ。

 

二次発酵でまろやかに、目的に合わせて 樽熟成 or ステンレスタンク熟成を使い分けることも

ワインの醸造過程に含まれる「発酵」や「熟成」。

発酵度合いによってまろやかさが変化し、醸造方法によってワインの香りや風味に大きな違いが出ます!

 

発酵は、ブドウの持つ糖分をアルコールに変える過程のこと。

どのワインも必ず発酵を行いますが、さらに発酵させる時には、この工程を「マロラクティック発酵(MLF)」と呼びます。

マロラクティック発酵(MLF)をすることで、ブドウの酸味がまろやかになり、複雑なコクが出て、滑らかな質感のバターを思わせる風味に変化します。

しかし、ゲヴュルツトラミネールは基本的にマロラクティック発酵(MLF)をしません。

二次発酵することで、酸味が弱まってメリハリのない味わいになったり、クリーミーな香りによってブドウ本来の華やかな香りが隠されてしまったりするからです。

二次発酵に向いている品種と、向いていない品種があるのですね。

 

熟成は、発酵したワインを木樽やステンレスタンクで寝かせることでワインにまろやかさや深みを出す工程のこと。

樽由来の香りや風味をワインに移してまろやかさ・複雑性・コクを引き出す「樽熟成」と、ブドウ品種本来のフレッシュさや個性を保てる「ステンレスタンク熟成」。

樽には空気が触れる木目があるので、樽熟成の方が酸化しやすいという特徴もあります!

 

ゲヴュルツトラミネールの場合は、特徴的なブドウ本来の香りを隠さないよう「ステンレスタンク熟成」されるのが一般的。

ただし、厚みのあるリッチでクリーミーな口当たりのワインにしたい場合には「樽熟成」されることも!

ゲヴュルツトラミネール特有のスパイス感はオーク樽の香りと相性が良く、樽香が強すぎない古樽を使って熟成されることが多いですよ。

 

発酵度合いや熟成方法の違い1つで、ワインの香りや風味が全く変わってくるのです!

 

長期熟成のゲヴュルツトラミネールは「スパイス感」が増す

ワインの熟成といえば「赤ワイン」のイメージが強い方も多いのではないでしょうか?

ゲヴュルツトラミネールは華やかでフレッシュな香りを楽しむため「早飲み」される印象が強いですが、長期熟成が十分可能な品種でもあります!

長期熟成すると「第3アロマ(熟成香)」が現れて、香りや風味にスパイス感や複雑さが増していきます。

 

「ライチ」や「バラ」のフレッシュで華やかな香りから、果実の香りが落ち着き「ドライフルーツ」「蜂蜜」「ジンジャー」のような甘くて濃厚な香りに。

同じく「ライチ」のフレッシュな味わいから、「キャラメル」や「メープルシロップ」のような甘い味わいに変化。

元々低い酸味も熟成によってさらに穏やかになり、まろやかでクリーミーな口当たりのワインになります。

 

長期熟成したゲヴュルツトラミネールは、「フレッシュで女性らしい香水」から「大人の香水」に上品な変化を遂げていくのです!

 

ゲヴュルツトラミネールは「オレンジワイン」の原料としても人気

皆さんは、「オレンジワイン」とは何かご存知ですか?

「オレンジから作ったワイン」では無く、「白ブドウを使って赤ワインのように造ったワイン」のこと。

白ワインのようなアロマティックな香り × 赤ワインのような渋味と苦味が含まれた飲みごたえある味わいが楽しめます。

 

ゲヴュルツトラミネールは、そんな「オレンジワイン」の原料としても人気のある白ブドウ品種なのです!

それは、「香りが非常に強い」「果皮が薄ピンク色をしている」「タンニン(果皮にあるポリフェノールの一種)との相性が良い」という特徴から。

 

ブドウの果皮には香り成分が多いので、オレンジワインの果皮ごと漬ける造り方はゲヴュルツトラミネール自慢の香りを引き出すのにピッタリ!

果皮が薄ピンク色をしているので、皮ごと発酵させることで綺麗な琥珀色のオレンジワインができあがります。

また、ゲヴュルツトラミネール特有のスパイスの香りが渋みのある「タンニン」との相性抜群で、ワインに複雑さや力強さを生み出しますよ。

 

ゲヴュルツトラミネールで造るオレンジワインは、「ライチ」「バラ」「ジンジャー」など品種ならではの華やかな香りと、渋みと旨味が調和した味わいが楽しめます!

ゲヴュルツトラミネールの特徴が、オレンジワインと相性抜群なんですね ♪

 

まとめ

今回は、「白ワインのブドウ品種『ゲヴュルツトラミネール』の特徴は?『飲む香水』と言われる理由も」をご紹介しました。

いかがでしたか?

 

今回の内容をまとめると、

  • 「飲む香水」と言われるのは、まるで香水のような「強烈で華やかな香り」をしているから
  • 特徴は4つで、「特徴的な品種名」「アロマティック品種」「スパイス感と苦味のある味わい」「薄ピンク色の白ブドウ」
  • ギリシャの品種「マラグジア」に似ているのは、「アロマティック品種」「酸が控えめ「スパイシーな料理やエスニック料理が相性が良い」という共通点があるから
  • 栽培に適しているのは「冷涼で乾燥した気候」「石灰質・粘土質土壌」の地域で、特に「フランス・アルザス地方」が有名
  • 基本的に二次発酵はしない
  • フレッシュな香りを楽しみたいなら「ステンレスタンク熟成」、リッチな味わいにしたいなら「樽熟成」
  • 長期熟成もできる白ブドウ品種で、熟成するほどにスパイス感や複雑さが増す
  • 「香りが非常に強い」「果皮が薄ピンク色をしている」「タンニン(渋み成分)との相性が良い」ので、オレンジワインにも使われる

このような感じでした。

 

他の白ブドウ品種とは一線を画すほどの、華やかで濃厚な香りをもつ「ゲヴュルツトラミネール」。

一度飲んだら、その香りの虜になってしまいそうです...!

皆さんも、ぜひ試してみてくださいね。

 

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