世界で最も有名な白ブドウ品種、シャルドネ。
ワインに精通していなくても、ワインを飲んだことのある方なら一度は口にしたことがあるのではないでしょうか?
スーパーやコンビニ、専門店まで「ワインを取り扱っているお店には必ずシャルドネのワインがある」と言っても過言ではありません。
スパークリングワインや辛口ワインなど様々なスタイルのシャルドネワインが、1,500円以下の安価な価格〜100万円以上の高級価格で製造されていますよ。
そんな人気も認知度も高いシャルドネは、通称「白ワインの女王」とも呼ばれています。
その理由は、シャルドネの特徴を知れば納得するでしょう!
今回は、「白ワインのブドウ品種「シャルドネ」の特徴とは?栽培に適したおすすめ産地なども徹底解説」をご紹介。
白ワインの最重要品種とも言えるシャルドネを知ることは、ワイン通への必須条件!
ぜひ、シャルドネの魅力を知る第一歩になれば嬉しいです。
Contents
シャルドネってどんなブドウ品種?
フランス東部にあるブルゴーニュ地方で生まれた白ブドウ品種シャルドネは、「白ワインのために生まれた奇跡の品種」と言えます。
品質が良ければ何十年ものの白ワインとして熟成させて銘酒として育てることができ、仮に品質が悪ければ安価な白ワインとして製造・販売しても十分商品として成り立つ、とっても万能な品種なのです!
シャルドネが世界中で生産、流通が起きている所以とも捉えることができます。
シャルドネが存在していたのは3世紀より後らしく、研究の結果で自然交配(片親が高貴な黒ブドウ品種の「ピノ・ノワール」、もう片親が現代の白ワイン品種の親とも呼ばれる「グエ・ブラン」)だということが判明しています。
よって、非常にポテンシャルが高い白ブドウ品種と言えますね。
シャルドネが最大ポテンシャルを発揮するのは「辛口(ドライ)仕立て」にした時。
なので辛口の白ワインとして流通していることがとても多いです。
また、シャルドネの酸味は炭酸との相性が良いので「スパークリングワイン」としても、甘みとの相性も良いので「デザートワイン」として利用されることもしばしば。
様々なスタイルのワインで楽しめるのも、シャルドネの万能さを表しています!
ブドウ自体には個性的な香りや風味がなく、ニュートラルで飲みやすい味わいなのも、シャルドネが世界中で広く愛されている理由。
ブルゴーニュ産だとミネラル感があり、チリ産だと果実感があるなど栽培地で風味が変化することも。
オーク樽熟成でバニラのような香りになり、ステンレスタンク熟成でシャルドネ本来の果実味が際立つなど、醸造方法で味わいに大きな違いが生まれます!
同じシャルドネ品種でも、まるでカメレオンのように味が七変化するのです。
シャルドネが通称「白ワインの女王」と呼ばれる理由は?
シャルドネが通称「白ワインの女王」と呼ばれる理由は、「カメレオンのように色んな表情を見せる柔軟性」にあります。
環境適応力が高く、フランス・ブルゴーニュ地方最北などの寒冷地から、南オーストラリアなどの温暖な地域まで世界中で育てられるシャルドネ。
シャルドネ自体に特徴的な香りや風味がないこともあり、育った土地によって香りや風味の特徴が変わるのです!
フランスやアメリカ・カリフォルニアなど寒冷地では、酸味が強くてレモンやライムのような柑橘系の爽やかな香りのするシャルドネに。
チリやアルゼンチンなど温暖な地域では、パイナップルやバナナを思わせる濃厚なトロピカルフルーツの香りのするシャルドネに。
フランス・シャブリ地区のように、キンメリジャン土壌というミネラル質を多く含んだ場所ではミネラル感あふれる風味になったりしますよ!
また、熟成度合いによっても風味が変わります。
収穫から1〜3年くらいの熟成が浅めのワインはフレッシュでフルーティーな果実感ある風味。
収穫から5〜10年以上のじっくり熟成させたワインはクリーミーでまろやかな口当たりのワインに仕上がります。
このように産地の気候や土壌・醸造方法・温度・熟成期間など様々な影響を受けて、カメレオンのように香りや風味が変化するシャルドネ。
周囲の影響をもろに受けてしまう繊細さも、また魅力的ですよね。
この柔軟な性質が、世界で最も愛されている理由でしょう!
シャルドネの特徴って何?
ここからは、本題となる「シャルドネの特徴」を4つのポイントで徹底解説していきます!
1つ目は、栽培しやすいこと。
親品種の白ぶどう「グエ・ブラン」の頑丈な性質を受け継いでいるシャルドネは、病気に強くてどこでも比較的簡単に育てられます!
イギリスなどの冷寒地からオーストラリアなどの温暖地まで、世界中で栽培可能。
「育てられない地域はほとんどない」とも言われるほどの環境適応能力を誇ります!
北限や南限などの気温・降水量・日照時間などが厳しい「ブドウ栽培の限界地区(栽培限界)」と呼ばれる地域以外では育てることができますよ。
2つ目は、飲みやすい味。
シャルドネ自体は、味や香りに目立った個性の無いニュートラルな味わい。
それゆえに、栽培地域・農園・醸造方法などの違いによって、特別な味わいや香りを表現することができます!
まるでカメレオンのように味やスタイルを変えられる、汎用性の高い品種なのです♪
和食・洋食・中華・デザートなど、様々な食事との相性もバッチリですよ!
3つ目は、樽熟成が多いこと。
白ワインの熟成は「木樽(オーク樽)」か「ステンレスタンク」で行われますが、シャルドネの場合はほとんどが樽熟成。
元々シャルドネ自体が香り控えめなので、香ばしい樽の香りを吸収しやすく相性が良いからです!
樽由来のバニラ・トースト・バター・クローヴ(丁子)などの甘いスパイス香がワインに溶け込んで、グッと深みの増したワインに仕上げてくれますよ。
4つ目は、様々なワインスタイルで楽しめる万能さ。
食事と相性の良い辛口(ドライ)ワインになることが多いシャルドネですが、実は「スパークリングワイン」や「デザートワイン(甘口ワイン)」としても使われるのです!
シャルドネのスパークリングワインは、柑橘系の爽やかな果実香とまろやかな酸味のある味わい。
シャルドネのデザートワインは、リンゴや洋梨といった芳醇な果実の甘みとシャープな酸味のバランスが絶妙な味わい。
シャルドネ特有の強い酸味が、辛口・甘口・炭酸と様々なスタイルに変化できる秘密なのです。
シャルドネの特徴4つ、いかがでしたか?
白ワイン用ブドウといえば、主要な2大品種としてシャルドネと並ぶのが、ソーヴィニヨン・ブラン!
シャルドネとソーヴィニヨン・ブランの特徴の違いについても、簡単にご紹介します。
シャルドネは香りや味の特徴が控えめなニュートラルタイプ、ソーヴィニヨン・ブランはハーブや柑橘系の香りが強いアロマティックタイプ。
シャルドネは樽熟成が多く、ソーヴィニヨン・ブランはステンレスタンク熟成が多い。
シャルドネはまろやかな酸味の辛口、ソーヴィニヨン・ブランはフレッシュで爽やかな酸味の辛口。
「シャルドネの特徴」「ソーヴィニヨン・ブランとの違い」を知っておけば、ワイン選びがもっと楽しくなりますよ!
シャルドネの特徴からわかる「栽培に適した産地」
シャルドネの栽培に最も適しているのは「冷涼な気候」「粘土石灰質土壌」の地域。
フランス北部のブルゴーニュ地方や、フランス北東部のシャンパーニュ地方がこの特徴に当てはまります!
そもそもシャルドネは、病気に強く環境への順応性が高い品種。
フランス・イタリア・スペイン・アメリカ・オーストラリア・チリを始めとした41カ国もの国々で栽培されています。
さらに万人受けする飲みやすい風味も相まって需要が高く、世界に数千種類ある白ぶどう品種の中でも、なんと生産量世界第1位!(2025年時点)
シャルドネの総栽培面積は驚きの20万ha超えと、東京都の総面積(約21.9万ha)に匹敵します。
シャルドネはどの地域でも品質の高い状態で沢山育てることができるので、農園側としても毎年安定的な収益が得られると人気がありますよ。
そんな環境適応能力の高いシャルドネですが、特に栽培に適しているのは「冷涼な気候」「粘土石灰質土壌」の地域。
2つの条件を合わせ持つ地域で育てることで、シャルドネ品種の特徴である「酸味」と「ミネラル」のバランスを最大限引き出すことができます!
粘土と石灰を多く含んだ土壌のフランス・ブルゴーニュ地方が最高峰の産地とされているのも納得がいきますね。
フランス・ブルゴーニュ地方ではミネラル感ある味わいのシャルドネになりますが、栽培地の気候によっては別の風味にもなります。
アメリカ・カルフォルニア地方などの冷涼な地域では、林檎や梨など青い果実や柑橘系の果実といった爽やかな香りが特徴のシャルドネ。
南アフリカなどの温和な地域では、白桃やメロンなど「ストーンフルーツ」と呼ばれる果物の豊かな果実感が特徴のシャルドネ。
オーストラリアなどの温暖な地域では、バナナやパイナップルなどトロピカルフルーツの完熟した濃厚な甘さが特徴のシャルドネになりますよ。
栽培地や熟し方・熟す期間によるワインの香りの変化も楽しんでくださいね!
比較的簡単に育てられるシャルドネですが、各地域で育てる時の注意点もあります。
冷涼な地域では凍害でブドウの枝が凍って死んでしまわないように、温和は地域ではブドウが早く成熟して酸が落ちやすくなってしまうので熟しすぎる前に収穫するように。
温暖な地域では萌芽(ほうが)が早いので春霜の被害にあうこと、熟しすぎて酸が落ちないようにするようにする必要があるのです。
基本的にどんな地域でも美味しく育ちますが、「冷涼な気候」「粘土石灰質土壌」の地域で育ったシャルドネの洗練された味わいは格別!
ポテンシャルを最大限に発揮したシャルドネで造った白ワイン、ぜひ試してみてはいかがでしょうか?
白ワイン用ブドウの2大品種「シャルドネ」と「ソーヴィニヨン・ブラン」の違いって?
先ほども少し触れた、白ワイン用ブドウの2大品種「シャルドネ」と「ソーヴィニヨン・ブラン」の違いについてもっと詳しく解説しましょう。
一言でいうと、シャルドネは「周囲の影響で香りや風味が変わりやすいカメレオンタイプ」で、ソーヴィニヨン・ブランは「品種独自の豊かな香りや風味を楽しめるタイプ」です。
シャルドネは品種由来の香りが控えめな「ニュートラルタイプ」ですが、ソーヴィニヨン・ブランはハーブや柑橘系の香り豊かな「アロマティックタイプ」。
ソーヴィニヨン・ブランの一度嗅いだら記憶に残る強い香りは、他品種のブドウと異なる大きな特徴です!
そして、シャルドネは香りが控えめなので樽のウッディな香りが移るように「樽熟成」されることが多く、逆にソーヴィニヨン・ブランは本来の豊かなアロマを生かすために「ステンレスタンク熟成」されることがほとんど。
さらに、シャルドネは辛口(ドライ)ながらもまろやかさな酸味ある味わい、ソーヴィニヨン・ブランも辛口(ドライ)ですがフレッシュで爽やかな酸味のある味わいです。
同じ辛口ワインでも、酸味の特徴の違いによってワインの印象も変わるのですね。
このように、シャルドネにはブドウ自体に強い香りや風味がないので、産地の気候条件や醸造方法(熟成など)によって味わいが大きく変わる「カメレオン」のような魅力が。
ソーヴィニヨン・ブランは品種本来のハーブ感あるフレッシュな香りや風味を存分に楽しめる魅力があるのです。
発酵やオーク樽・ステンレスタンクでの熟成など「醸造方法の違い」で生まれる風味の変化
ワインの醸造過程には、「発酵」や「熟成」といった工程が含まれます。
発酵期間の長さによって酸味やまろやかさが変化し、醸造方法によってワインの香りや風味に大きな違いが出るんです!
発酵は、ブドウの持つ糖分をアルコールに変える過程のこと。
どのワインも必ず発酵を行いますが、さらに発酵させる時には、この工程を「マロラクティック発酵(MLF)」と呼びます。
マロラクティック発酵(MLF)をすることで、ブドウの酸味がまろやかになり、複雑なコクが出て、滑らかな質感のバターを思わせる風味に変化します。
しっかりした酸味のあるシャルドネは、長期発酵とも相性の良い品種なんですよ!
熟成は、発酵したワインを木樽やステンレスタンクで寝かせることでワインにまろやかさや深みを出す工程のこと。
樽由来の香りや風味をワインに移してまろやかさ・複雑性・コクがプラスされる「樽熟成」。
容器の香りや風味が移らないのでブドウ品種本来のフレッシュさや個性が出せる「ステンレスタンク熟成」があります。
樽には空気が触れる木目があるので、樽熟成の方が酸化しやすいという特徴も!
一般的にシャルドネに使われるのは、樽熟成。
ブドウ自体に特徴的な香りや風味がないので、オーク樽由来のナッツ・トーストのような香ばしい香りや風味がワインに上手く溶け込むからです。
また、シャルドネは元々の酸味が強いので、酸化しやすい樽での長期熟成にも耐えることができますよ。
新樽(新品のオーク樽)で熟成すれば、オーク樽から移るバニラの風味をよりはっきりと感じることもできます!
「ブドウの本来の香りや風味の特徴」「どんなスタイルのワインにしたいか」によって、発酵期間や熟成方法が変えられているのです。
シャルドネを長期熟成すると「香り」や「味わい」はどう変化する?
ワインの熟成をいえば、「赤ワイン」のイメージが強い方も多いのではないでしょうか?
しかし、シャルドネは「樽熟成との相性が良い」「しっかりした酸味を持っている」点から、白ブドウの中でも長期熟成に向いている品種なんです!
シャルドネを長期熟成することによって、「第3アロマ」と呼ばれる香りが現れて香りに深みが増し、よりまろやかで豊潤な味わいのワインを作ることができます。
熟成期間が長くなっていくと、香り自体のニュアンスにも変化が現れます。
まずは、樽由来のナッツ・バニラ・トーストなどの香ばしい香りに。
樽から瓶に移してさらに熟成することで、フレッシュな果実感からドライフルーツのようなニュアンスに変化。
さらに、なんとキノコやカフェオレのようなフレーバーまで感じられるようになっていきます!
最も品質の良いワインは、ナッツやキノコのような高貴な香りがするのだとか。
ぜひ体験してみたいものです。
まとめ
今回は、「白ワインのブドウ品種「シャルドネ」の特徴とは?栽培に適したおすすめ産地なども徹底解説」をご紹介しました。
いかがでしたか?
今回の内容をまとめると、
- シャルドネは「白ワインのために生まれた奇跡の品種」である
- シャルドネが通称「白ワインの女王」と呼ばれる理由は、「カメレオンのように色んな表情を見せる柔軟性」にある
- シャルドネの特徴は4つで、「栽培しやすい」「飲みやすい味」「樽熟成されることが多い」「様々なワインスタイルで楽しめる万能さ」
- シャルドネの栽培に最も適しているのは「冷涼な気候」「粘土石灰質土壌」の特徴をもつ地域
- シャルドネは「周囲の影響で香りや風味が変わりやすいカメレオンタイプ」で、ソーヴィニヨン・ブランの違いは「品種独自の豊かな香りや風味を楽しめるタイプ」
- 発酵期間が長くなるほど酸味が減ってまろやかになり、樽熟成することで樽由来の香ばしい木の香りがプラスされる
- シャルドネを長期熟成することで「第3アロマ」と呼ばれる香りが現れる
このような感じでしたね。
「栽培環境への適応力」「柔軟に変化する味わい」などの特徴が、シャルドネが「白ワインの女王」と呼ばれる理由なのですね。
カメレオンのように七変化する魅力の尽きないシャルドネの、色んな味わいのワインを飲んでみたくなりました!
皆さんも、ぜひ試してみてくださいね。