フランス・ロワール地方発祥の白ブドウ品種「シュナン・ブラン」。
白ブドウ二大品種の1つでもあるソーヴィニヨン・ブランの兄弟品種です!
日本でも、食事に合わせやすい「万能な白ワイン」として人気がありますよ。
今回は、「白ワインのブドウ品種『シュナン・ブラン』の特徴は?南アフリカの国宝と呼ばれる理由なども」をご紹介。
「南アフリカの国宝」と呼ばれるほど、南アフリカで重宝されている理由も解説しています。
皆さんがシュナン・ブランの魅力を知る第一歩になれば嬉しいです。
Contents
「南アフリカの国宝」と呼ばれるシュナン・ブラン
シュナン・ブランは、「南アフリカの国宝」とも呼ばれる白ブドウ品種。
南アフリカが世界最大の栽培地であり、南アフリカの風土(テロワール)を最もよく表現した白ブドウ品種であるからです。
元々は、フランス・ロワール地方のアンジュー地区が発祥のシュナン・ブラン。
フランスでは800年代から栽培されていたといわれ、1600年代にヤン・ファン・リーベックによって南アフリカにシュナン・ブランが持ち込まれました(諸説あり)。
南アフリカに持ち込まれた当時はシュナン・ブランではなく「スティーン」という品種名で親しまれていましたが、1963年にシュナン・ブランと同じだということが判明。
南アフリカの栽培環境(日照量が多い・乾燥した気候)がシュナン・ブランに適していたことで徐々に栽培面積が拡大し、今では世界最大級に!
シャープな酸味と「パイナップル」「アプリコット」のような豊かな果実味がバランスの取れた高品質なワインとして高い人気を博しています。
こうして、「国宝」とも呼ばれるほど南アフリカワインにとっての重要品種となったシュナン・ブラン。
南アフリカの醸造家達が熱い思いを持ってワインを造り、素晴らしいワインを生み出し続けていますよ。
シュナン・ブランの特徴
では、本題となるシュナン・ブランの特徴を4つの観点からご紹介します!
1つ目は、環境適応力が高いこと。
シュナン・ブランは樹勢(樹の生命力)が強い品種。
シュナン・ブランの2大産地であるフランス・ロワール地方(冷涼な気候の地域)〜 南アフリカ(温暖な気候の地域)まで、幅広い地域の環境に適応します。
特に好まれるのは冷涼な気候での栽培で、高い酸味を保持したブドウが収穫できるのでは爽やかな辛口ワイン〜甘口ワインの「貴腐ワイン」まで醸造可能。
ただし、暖かいエリアでは豊潤な果実味のワインなど、栽培地の気候に合わせたワインを造ることができますよ。
2つ目は、テロワール(風土)の特徴がワインに現れやすいこと。
シュナン・ブランはニュートラルな品種(香りが控えめな品種)なので、栽培地の気候・土壌・醸造スタイルなどによってワインの味わいが大きく変わります。
純粋なブドウ自体は「リンゴ」や「洋梨」などフルーティな果実香と「ジャスミン」など花の香り、フレッシュな酸味のある味わい。
特に土壌の違いによる影響を受けやすく、砂質の土壌では軽い口当たりのワイン、シリカ(二酸化ケイ素)の多い土壌ではミネラル感が豊富なワイン、石灰質の土壌ではシャープな酸味のワインなど。
さらに、日照時間の短い土地では酸味の強いドライ(辛口)な味わい、日照時間が長い土地では蜂蜜のような甘さも感じる味わいになります。
シュナン・ブランは他品種とブレンドされることもありますが、単一種で造られたワインを飲めば、さらに表現力の高さを感じることができますよ!
3つ目は、スタイルの幅が広いこと。
シュナン・ブラン特有の高い酸味によって、辛口ワイン・甘口ワイン・スパークリングワインなど幅広いスタイルのワインを造ることができます。
辛口ワインはフレッシュな酸味、「カリン」「洋梨」「レモン」などの果実香と「レモンバーベナ」や「カモミール」などハーブの香り、ミネラル感を感じる味わい。
甘口ワインは「アプリコット」「トロピカルフルーツ」の豊かな果実香と「蜂蜜」のような甘さ、リッチで滑らかな口当たり。
遅摘みの甘口ワインや貴腐ワイン造りにも適しています。
スパークリングワインは、辛口ワインと同様に爽やかな酸味と軽やかな泡立ちですよ。
ブドウの酸度が高いので、どのスタイルであってもバランスの取れた味わいです!
4つ目は、様々なスタイルの料理に合わせられること。
ワインスタイルの幅が広いので、シュナン・ブランのワインの中から料理に合った1本を見つけることができます。
辛口のシュナン・ブランには「レモン」のように爽やかな酸味があるので、魚介料理・鶏肉料理・シーフードのグリルなどと相性◎。
和食に合わせるなら、お寿司がおすすめです!
甘口のシュナン・ブランは濃厚な甘味と高い酸味のバランスが良いので、レバーペースト・フォアグラ・ブルーチーズ・スパイシーなアジア料理とも相性が良いですよ。
シュナン・ブランは、カメレオンのように姿や味を変える品種です!
親品種は「サヴァニャン」で 兄弟品種は「ソーヴィニヨン・ブラン」
シュナン・ブランの親品種は「サヴァニャン」で、兄弟品種は「ソーヴィニヨン・ブラン」。
サヴァニャンはフランス・ジュラ地方発祥の白ブドウで、多くの白ブドウ品種の親となる最古種。
ソーヴィニヨン・ブランはフランス・ロワール地方発祥の白ブドウで、「シャルドネ」と並ぶ白ブドウ2大品種の1つです。
どちらも白ワインの重要品種である、高貴なブドウの家系ですね。
シュナン・ブランの特徴である高い酸味・ミネラル感・長期熟成へのポテンシャルは、親品種であるサヴァニャンからの遺伝。
兄弟品種のソーヴィニヨン・ブランにも酸味の強さなどが同じく遺伝しているので、シュナン・ブランを飲んだ時に「ソーヴィニヨン・ブランに似てる...」と思うこともあるでしょう。
フランス・ロワール地方では、ソーヴィニヨン・ブランとシュナン・ブランをブレンドすることがあります。
ハーブのような清涼感がありシャープな印象のソーヴィニヨン・ブラン × 果実味とコクのあるシュナン・ブランの組み合せが、爽やかさと飲みごたえのバランスが取れたワインになりますよ。
ぜひ、サヴァニャンやソーヴィニヨン・ブランとの共通点や違いを探してみてくださいね。
シュナン・ブランの特徴から分かる「栽培に適した産地」
シュナン・ブランの栽培に適している地域は「冷涼で乾燥した気候」「適した土壌(石灰質、粘土質、砂質土壌)」「長い日照時間」といった3つの条件が揃っています。
2大産地として有名なのが、「フランス・ロワール地方」と「南アフリカ」。
フランス・ロワール地方は冷涼な気候によってブドウがゆっくり熟成するのでキリッとした酸味があり、石灰質・粘土質・砂質が混ざった土壌が複雑味を与えます。
高い酸味があることで、辛口〜甘口まで幅広く高品質なワインを造ることができます。
南アフリカは日照量が多く乾燥した気候によって完熟した凝縮感のある果実味とボディのしっかりした味わいに。
酸味がありながらリッチな果実味の高品質な辛口白ワインを造ることができます。
それぞれのワインに異なる魅力があるので、求めるワインの味わいによって選んだり、飲み比べてみたりするのもおすすめですよ!
ブドウ本来の果実味が引き立つ「アンフォラ(素焼きの壺)ワイン」が人気
皆さんは、「アンフォラワイン」の存在をご存知でしょうか?
アンフォラワインとは、アンフォラ(素焼きの壺)を使って発酵・熟成させたワインのこと。
ステンレスタンク熟成のフレッシュでブドウ本来のピュアな味わいと、樽熟成のような酸化によるふくよかさのある味わいを併せ持ったワインが造れる醸造方法。
健康志向の高まりによるナチュラルワインブームに乗じて、アンフォラワインも注目を集めていますよ!
長期熟成のシュナン・ブランは「ナッツ」や「マッシュルーム」の熟成香がする
ワインの熟成をいえば、「赤ワイン」のイメージが強い方も多いのではないでしょうか?
しかし、シュナン・ブランは持ち前の高い酸味と豊かな風味によって長期熟成のポテンシャルが非常に高い品種。
熟成によって現れる「第三アロマ(熟成香)」によって、ワインの香りや味わいに深みが増していきます。
若いシュナン・ブランは「リンゴ」や「洋梨」などフルーティな果実香と「ジャスミン」など花の香り。
熟成すると「ナッツ」「蜂蜜」「カラメル」の香りに混ざって、ほのかな「マッシュルーム」感も感じる複雑な香りに変化します。
明るいレモン色だったワインは深い琥珀色のワインに変わり、オイリーで滑らかな口当たりに。
シュナン・ブランが凄いのは、どんなスタイルのワインでも長期熟成できるポテンシャルがあること。
長期熟成することで、優雅で奥深い味わいの銘酒になりますよ!
シュナン・ブランは高樹齢ブドウ樹の保護団体「OVP」から認証を受けている
南アフリカの「OVP(オールド・ヴァイン・プロジェクト)」とは樹齢35年以上の古樹(オールド・ヴァイン)を保護しながら、古樹から造られる高品質ワインの価値を高めるために活動している団体のこと。
オールド・ヴァイン(古樹ワイン)の魅力は、驚くほどの凝縮感・深み・複雑さが入り混じった濃厚でエレガントな味わいです。
樹齢20年を超えたブドウ樹は自然と一房の粒が減っていき、一粒一粒の果実の凝縮感が高まります。
また、すでに根が深くまで伸びているので安定して水分・養分を吸収することができます。
人間があえて手を加えずとも自然と質の良いブドウが厳選されていき、さらに安定して収穫できるのが良いところ!
ただし、幹が古くて機械収穫が出来ないので全て手作業での収穫。
一房の粒が少なく生産量に限りがあるので、ワイン1本あたりの価格は高くなります。
栽培に難しい部分はあっても、オールドヴァインの素晴らしさを伝え、南アフリカワインのイメージアップのために取り組みが行われています。
南アフリカではシュナン・ブランは「国宝」ともいわれ、樹齢100年を超えるシュナン・ブランが多く存在していますよ。
熱心な活動が功を奏し、ワイン業界のトレンドのひとつとして注目されてきているのです!
まとめ
今回は、「白ワインのブドウ品種『シュナン・ブラン』の特徴は?南アフリカの国宝と呼ばれる理由なども」をご紹介しました。
いかがでしたか?
今回の内容をまとめると、
- シュナン・ブランが「南アフリカの国宝」と呼ばれるのは、世界で最も栽培量が多く、風土を最もよく表現した白ブドウ品種だから
- シュナン・ブランの特徴は、「環境適応力が高い」「テロワール(風土)の特徴がワインに現れやすい」「スタイルの幅が広い」「様々なスタイルの料理に合わせられる」
- シュナン・ブランの親品種は「サヴァニャン」兄弟品種は「ソーヴィニヨン・ブラン」で、高い酸味などが遺伝している
- シュナン・ブランの栽培に適しているのは「冷涼で乾燥した気候」「適した土壌(石灰質、粘土質、砂質土壌)」「長い日照時間」の条件が揃った地域で、「フランス・ロワール地方」と」「南アフリカ」が2大産地
- シュナン・ブランは、ブドウ本来のピュアな味わいが引き立つ「アンフォラ(素焼きの壺)ワイン」の醸造が人気
- シュナン・ブランは長期熟成が得意な品種で、熟すと「ナッツ」や「マッシュルーム」の香りがする
- シュナン・ブランは高樹齢ブドウ樹の保護団体「OVP」から認証を受けており、オールド・ヴァイン(古樹ワイン)は濃厚でエレガントな味わいが魅力
このような感じでした。
「アンフォラワイン」や「オールド・ヴァイン(古樹ワイン)」など、個性的なスタイルでも楽しめるシュナン・ブラン。
様々な味わいやスタイルに変化する非常にポテンシャルの高い品種でした!
皆さんも、ぜひ飲んでみてくださいね。