豚肉を揚げた「トンカツ」や 鶏肉を揚げた「チキンカツ」が人気の料理、カツ。
牡蠣を揚げた「カキフライ」や エビを揚げた「エビフライ」が人気の料理、フライ。
サクッと揚げたての食感がたまらない、ジューシーな味わいが人気の料理ですよね。
「カツ」と「フライ」、当たり前のように使い分けている言葉ですが、みなさんはその違いを考えたことがあるでしょうか?
実は、「使う食材」や「名前の由来」に違いが隠されているんです!
今回は「ハワイ名物グルメ『カツ』と『フライ』の違いは?本来調理方法が違うのを知ってる人は2割」という内容をご紹介。
全国の10代〜60代の男女800名を対象にした独自調査の結果なども元にして詳しく解説しますよ!
「言われてみれば、カツとフライの違いって何なんだろう...?」と思った方の参考になれば嬉しいです。
Contents
意外と知らない「カツ」と「フライ」の違いとは
あなたは「カツ」と「フライ」の違いについて考えたことがありますか?
どちらも、日本では家庭料理として広く親しまれており、レストランでも食されることの多い料理ですよね。
カツといえば「トンカツ(豚肉)」「ビーフカツ(牛肉)」「メンチカツ(牛や豚のひき肉)」「チキンカツ(鶏肉)」。
フライといえば「カキフライ(牡蠣)」「エビフライ(海老)」「アジフライ(鯵)」「ホタテフライ(帆立)」など。
ほとんどが聞き馴染みのある料理名かと思います。
「カツ」という言葉がつく料理と、「フライ」という言葉がつく料理。
その違いは一体何なのでしょう...?
とあるウェブメディアの独自調査によると、「カツとフライの違いを知っている」という人の割合は全体の約2割!
全国の10代〜60代の男女800名を調査対象にした際に、22.6%の人が知っているという結果になりました。
ちなみに調査結果を男女別のデータにした場合、男性は23.8%、女性は21.5%という数字に。
意外にも、違いを知らない人の割合が多いようです。
「違いなんて考えたこともなかった...」という人も多いのかもしれません。
さて、カツとフライの違いは、使用する食材を分類分けしてみるとよく分かります!
お肉類を使っている料理には「カツ」、魚介類を使っている料理には「フライ」という言葉が使われているんです。
「言われてみれば確かに...!」という感じの違いではないでしょうか。
その他に、実はもともと名前の由来にも違いがあるんです。
名前の由来の違いについては、あとで詳しく見ていきますよ。
なぜ肉類には「カツ」魚介類には「フライ」が使われるのか?
先ほど、カツとフライは使っている食材に違いがあることをお伝えしました。
お肉類を使っている料理には「カツ」、魚介類を使っている料理には「フライ」という言葉が使われていましたよね!
実際、とあるウェブメディアの独自調査でも「トンカツやチキンカツなど肉にはカツ、エビフライとか魚にはフライがつくような気がする...」と回答する人がいたようです。
さて、ここで生まれるのが「なんで肉と魚で言葉を変えるの?」という疑問。
結論、肉類を使う場合は「カツ」で 魚介類を使う場合は「フライ」じゃないとダメという決まりはないのです!
たしかに肉類と魚介類で呼び方が分けられていることが多いです。
しかし、魚のフライを「魚カツ」や「フィッシュカツ」と呼んだり、エビフライを「エビカツ」と呼んだりすることもあるんですよ!
では、なぜ一般的に肉類と魚介類で呼び分けられることが多いのでしょうか?
それは、カツとフライの元々の名前の由来である「調理方法の違い」が関係してきます。
このあと詳しく解説していきますよ!
「カツ」と「フライ」は由来(調理方法)が異なるから名前も違う!
見た目がほぼ同じ両者の“歴史の変遷”を見てみよう
慣れ親しんだ「カツ」「フライ」という料理名ですが、その名前の由来をご存知でしょうか?
まずは、カツの語源について。
カツとは、「カツレツ」の略語。
カツレツという言葉の語源は、フランス語の「コートレット(côtelette)」にあります。
コートレットとは、子牛などの骨付き肉のこと。
また、この骨付き肉にパン粉をつけてたっぷりのバターで焼いた料理のことも指しています!
フレンチレストランで「仔牛のコートレット」というメニューを見たことある方もいるかもしれません。
フランス語のコートレットは、英語読みすると「カットレット(cutlet)」。
日本ではカットレットがなまって、「カツレツ」と呼ばれるようになっていきました。
語源となるコートレットに「骨付き肉」という意味があるので、「カツ」という言葉も基本的に肉類に対して使われるんですね。
次に、フライの語源について。
フライの語源は、英語の「ディープフライ(deep fry)」にあります。
ディープフライとは、油をたっぷり使って揚げた料理のこと。
ディープフライという言葉が短縮されて、和製英語の「フライ」が誕生しました。
一般的には、肉類以外の魚介類や野菜類を揚げて作る料理に使われる言葉とされています。
現在では同じ調理方法で知られるカツとフライですが、本来、カツは「焼いて作る料理」のことだったのです!
なので、言葉が違うんですね。
では、なぜ現在はどちらも「揚げて作る料理」として知られているのでしょうか?
それは、銀座にある老舗洋食店「煉瓦亭(れんが亭)」のシェフのアイデアからきています。
当初、日本ではカツレツはあまり人気がありませんでした。
理由は、牛肉とバターの組み合わせが日本人にとっては脂っこく感じられたから。
日本人好みに変えられないかと考えたシェフは、使用する食材を牛肉から、日本人に馴染みのある豚肉に変更。
焼く調理方法から、揚げる調理方法に変更しました。
この大胆なアイデアが大ヒット!
コートレットよりも日本人が発音しやすい「ポークカツレツ」という名前で大ブームを起こしました。
こうして、現在はカツもフライもパン粉をつけて香ばしく揚げた料理となったのですね。
カツの調理方法は「焼く」、フライの調理方法は「揚げる」だが、現代では見た目がほぼ同じ。
日本でどう使い分けられてきた?
牛肉を大量のバターで揚げ焼きにするフランスの料理「コートレット」を元に誕生した「カツレツ」。
対して、高温にした大量の油で食材を揚げた料理「フライ」。
本来、カツは焼いた料理で、フライは揚げた料理という違いがあったことをご紹介しました。
しかし、カツもフライも、焼いたり揚げたりする前の小麦粉・卵・パン粉を食材にまぶす工程などは同じ。
焼いても揚げても、できあがった姿はほぼ同じだったのです!
現在は調理方法が同じになったのでより似ています。
見た目がほぼ同じなこともあり、カツとフライに違いがあるのを知らなかった方も多いのではないでしょうか?
そんなカツとフライは、日本ではどのように使い分けられてきたのでしょう。
カツの原型となったコートレットが日本に伝わったのは、明治時代。
日本ではコートレットのことを「カツレツ」と呼んでいました。
そして、カツレツをアレンジした「ポークカツレツ」が誕生したのが1890年代。
先ほどもご紹介した通り、1895年創業の老舗洋食店「煉瓦亭(れんが亭)」で生まれました。
さらに、このポークカツレツを箸で食べる日本独自のスタイルにしたのが「トンカツ」。
今では一番馴染み深いですよね。
トンカツを初めて売り出したと言われているのが、東京・上野御徒町(うえのおかちまち)の老舗洋食店「ポンチ軒」。
千切りキャベツ・ご飯・味噌汁を添える定番のスタイルが確立しました。
そしてなんと、日本で初めてフライを提供したお店も「煉瓦亭(れんが亭)」だと言われているんです!
初めて提供したのはエビフライ。
ポークカツレツの人気ぶりをみて、「色々な食材に衣を付けて揚げてみてはどうか?」と考えたそうです。
ちなみに、カキフライも煉瓦亭(れんが亭)で誕生していますよ。
実は、カツもフライも日本発祥のお店は同じだったのです!
興味のある方は、ぜひ「煉瓦亭(れんが亭)」に元祖カツ・元祖フライを食べに行ってみてくださいね。
東京・上野御徒町の名店“ポンチ軒”により「トンカツ」と呼ばれるようになった「ポークカツレツ」は、ハワイでも食べれる?
当初、牛肉とたっぷりのバターという濃厚な組み合わせが日本人ウケしなかったカツレツ(コートレット)。
東京・銀座の名店「煉瓦亭(れんが亭)」で、豚肉を油で揚げた「ポークカツレツ」が考案され大ヒットに!
そのポークカツレツが、東京・上野御徒町(うえのおかちまち)の名店「ポンチ軒」によって「とんかつ」として提供されるようになったことをご紹介しました。
何度も名前を変えながら、私たちに馴染みある「トンカツ」に進化していったのですね!
そんなトンカツですが、ハワイでも食べられるお店があるのでしょうか?
ハワイにもトンカツが食べられるお店は複数あり、2025年12月時点ではどのお店もオアフ島に集まっているようです。
特におすすめのお店は「とんかつ 銀座梅林(Tonkatsu Ginza Bairin)」。
1927年に東京・銀座にオープンした、銀座で初めてのトンカツ専門店です。
ハワイ・ワイキキには2007年に進出。
豚肉・とんかつソース・湯油・パン粉・卵・キャベツ・米に至るまで、 素材にこだわった絶品トンカツが食べられますよ!
「とんかつ 銀座梅林」以外にも、ハワイでカツが食べられるおすすめ店をご紹介している記事を載せておきます。
ハワイでは、日本でも人気のトンカツやチキンカツだけでなくマグロを使った「アヒ(マグロ)カツ」も人気!
ハワイで人気のカツについて、味・具材・人気の理由などもご紹介していますよ。
関連記事:ハワイ名物グルメ「カツ」とは|味・具材・人気の理由やおすすめ店など魅力を解説
まとめ
今回は「ハワイ名物グル『カツ』と『フライ』の違いは?本来調理方法が違うのを知ってる人は2割」をご紹介しました!
いかがでしたか?
この記事で紹介した内容をまとめると...
- 全国の10代〜60代の男女800名中、カツとフライの違いを知っている人は約2割だけ(とあるウェブメディアの独自調査によると)
- 肉類には「カツ」魚介類には「フライ」という言葉が使われることが多いが、はっきりとした決まりはない
- カツの語源は、骨付き肉にパン粉をつけて大量のバターで焼いた料理を指す、フランス語の「コートレット(cutlet)」
- フライの語源は、油を大量に使って揚げた料理を指す、英語の「ディープフライ(deep fry)」
- 本来「焼く料理」「揚げる料理」という調理方法の違いが、カツとフライの名前の違いになっている
- 1985年に、老舗洋食店「煉瓦亭(れんが亭)」のシェフが豚肉を油で揚げた「ポークカツレツ」を考案した
- 老舗洋食店「ポンチ軒」で、ポークカツレツを箸で食べる日本独自のスタイル「トンカツ」が誕生した
- 現在はカツとフライの調理方法に違いは無くなり、一般的には、肉に「カツ」魚介類や野菜に「フライ」という言葉が使われている
- ハワイにもトンカツを食べられるお店が複数ある
このような感じでしたね。
普段何気なく食べているカツとフライの違い、考えたことのある方はどのくらいいたでしょうか?
肉と魚で使われている言葉が違うことを知ると「確かに...!」となった方も多いかと思います。
私自身は、カツとは本来「焼く料理」であったという事実が1番の驚きでした!
カツの語源となったフランス料理「コートレット」も、ぜひ食べてみたいですね。
違いを理解し、カツとフライの魅力を知るきっかけになれば嬉しいです。