ドイツを代表する高貴な白ブドウ品種、リースリング。
世界的に人気が高く、「白ワイン用ブドウの3大品種」の1つに数えられます。
同じく3大品種の「シャルドネ」「ソーヴィニヨン・ブラン」と比較すると日本での流通量が少ないため、よく知らない方も多いかもしれません。
2つの品種に負けないくらい、白ワインとしてのポテンシャルが高い魅力たっぷりの品種なんですよ!
今回は、「白ワインのブドウ品種「リースリング」の特徴は?ペトロール香(石油香)の楽しみ方なども」をご紹介。
熟成したリースリングワインに現れる、特有の「ペトロール香(石油香)」の楽しみ方なども詳しく解説しています!
皆さんがリースリングの魅力を知る第一歩になれば嬉しいです。
Contents
リースリングの特徴って何?
では早速、本題となる「リールリングの特徴」を4つのポイントで徹底解説していきます!
1つ目は、比較的栽培が難しい品種であること。
リースリングは晩熟品種のため、収穫までの期間に秋雨の被害や病気にかかるリスクからブドウを守る必要があります。
また、「鏡のような品種」と言われるほど産地の気候や土壌の影響がもろにワインの品質に現れる繊細さも、栽培が難しい理由。
リースリングは「第一アロマ(ブドウ本来の香り)」がしっかり表現できる品種なので、オーク樽由来のバニラの香りなど「第二アロマ(発酵や醸造過程でつく香り)」をつけないのが一般的。
ブドウ本来の香りが全面に出るように醸造されるため、産地の特徴が鏡のようにワインの風味に映し出されるのです。
しかし、その鏡のような特徴が、生産者・生産地の個性を表現できるリースリングの魅力でもありますよ!
2つ目は、白ブドウとしてトップクラスの多彩なワインスタイル。
リースリングは、「スティルワイン(一般的な非発泡ワイン)」「スパークリングワイン」「デザートワイン」などワインスタイルが多彩。
デザートワインの中でも、「貴腐ワイン(ブドウ果皮に付着した貴腐菌を利用)」「アイスワイン(凍ったブドウを利用)」「ヴァンダンジュ・タルディブ(遅摘みブドウを利用)」など種類豊富です。
極甘口ワイン〜極辛口ワインまで、「極辛口」「辛口」「中辛口」「中甘口」「甘口」「極甘口」といった甘辛度の幅をも表現できるポテンシャルを持っています!
これだけ多くのスタイルで美味しいワインを造れるのは、リースリングに「鋭く揺るぎない酸味」があるから。
どれだけ甘口になっても酸味が失われないため、くどくない上品な味わいのワインになれるのです。
リースリング本来の個性のおかげで、どれだけワインのスタイルが変わってもリースリングらしい華やかさを感じることができるんですね。
3つ目は、香り豊かなアロマティック品種であること。
リースリングは、ブドウ品種特有の香り「第一アロマ」がはっきりしているアロマティック品種。
醸造の際には、ブドウ本来の香りを残すため容器の香りがつかない「ステンレスタンク」を使って熟成することが多いです。
レモン・ライム・プラム・洋ナシ・白桃・リンゴ・メロンなどの果実、ジャスミンのようなお花、爽やかなハーブなどが混ざった華やかでフルーティーな香り。
そこに、濡れた小石のようなミネラル感ある香りも少し混ざっています。
さらに特徴的なのは、長期熟成したリースリングワインに現れる「ぺトロール香」という石油や灯油のような独特の香り。
好みの分かれる香りですが、「品質が良い熟成のサイン」とされていますよ!
4つ目は、長期熟成が得意なこと。
長期熟成してまろやかな味わいにする赤ワインとは違い、フレッシュな味わいが求められ長期熟成させることが少ない白ワイン。
しかし、リースリングは持ち前の「強い酸味」と「凝縮感のある果実味」のおかげで数十年単位での長期熟成ができます!
長期熟成しても 酸(フレッシュさ)・アルコール(重厚感)・果実味・ミネラル感といった白ワインの骨格は崩れることがありません。
フレッシュでフルーティーな「第一アロマ(ブドウ本来の香り)」に蜂蜜や石油香のような「第三アロマ(熟成によって生まれる香り)」が加わることで、より複雑で深みのある味わいに。
白ワインとして珍しい特性を持ったリースリングだからこその、重厚感あるエレガントな味わいを楽しむことができますよ!
リースリングの4つの特徴、いかがでしょうか?
非常にポテンシャルが高く、魅力の尽きない白ブドウ品種ですね!
白ワイン用ブドウの3大品種に数えられる
(「シャルドネ」「ソーヴィニヨン・ブラン」と並ぶ)
リースリングが白ワイン用ブドウの3大品種に数えられるのは、「高貴な白ブドウ品種」として世界的に認められているから。
「シャルドネ」「ソーヴィニヨン・ブラン」と同様に、世界中で高い人気を誇っており、最高品質のワインを生み出せる品種とされています。
コクがあり産地によって味わいがガラッと変わる「シャルドネ」。
ハーブのような爽快な香りとみずみずしい果実感をもつ「ソーヴィニヨン・ブラン」。
しっかりした酸味と果実感のバランスが良い「リースリング」。
「どの白ワインから試したら良いか分からない」と悩んだなら、まずは3大品種から試してみましょう!
万能ブドウ品種「シュナン・ブラン」に似ている
フランス・ロワール地方発祥の白ブドウ品種「シュナン・ブラン」。
ドイツ生まれの「リースリング」は、「シュナン・ブラン」にもよく似ています。
逆に、シュナン・ブランは「フランス版のリースリング」「ロワールのリースリング」と呼ばれることがありますよ!
共通点は主に3つで、「多彩なワインスタイルと辛口~極甘口まで表現できる万能さ」「長期熟成が得意なこと」「繊細で、栽培環境がワインの味に素直に映し出されること」。
リースリングもシュナン・ブランも「非常に強い酸味」があるため、甘口にしても酸味が消えずバランスの良い味わいに仕上げられます。
1つの品種で「スパークリングワイン」や「デザートワイン」など様々なスタイルになれて、辛口~極甘口まで様々な味わいを表現できるのです!
この「非常に強い酸味」があることで長期熟成しても白ワインの爽やかさとフレッシュさを維持することができますよ。
また、リースリングもシュナン・ブランも「晩熟品種」で「病気に弱い」品種。
天候や土壌の影響を受けやすい繊細な品種なので、ワインの品質にも産地の特徴がストレートに反映される特徴を持っています。
このように、似ている特徴が多いリースリングとシュナン・ブラン。
シュナン・ブランのワインがお好きな方は、リースリングのワインも好みに合うかもしれません♪
リースリングの特徴からわかる「栽培に適した産地」
リースリングの栽培に適しているのは「冷涼な地域」で、その中でもリースリング発祥の地「ドイツ」が最も適した栽培地。
ドイツ国内13地域にあるワイン産地の全てでリースリングが栽培されており、その栽培量は世界中の約6割を占めるほどです。
ドイツがリースリングの栽培地として最も適している理由は、「ワイン生産国の中で最北にありブドウの成熟がギリギリできるくらいの寒い地域」だから。
リースリングの品質は、「高い酸度」と「長い成熟期間」のバランスによって決まります。
寒いと一気に成熟しないので高い酸度を保ったままじっくりと熟すことができ、晩熟品種のリースリングにはぴったり!
しっかりとキレのある酸を残しながらも、フレッシュな果実感・ミネラル感・ペトロール香(石油香)を生むことができますよ。
さらに、ドイツの中でも特に有名な銘醸地といえば「モーゼル地方」と「ラインガウ地方」。
モーゼル地方はラインガウ地方よりも北限に近いので、よりキレのある酸味の強いワインに仕上がります。
スレート土壌(粘板岩土壌)由来のミネラル感とエレガントな味わいが特徴です。
ラインガウ地方はモーゼル地方よりもやや温暖な気候なので、奥深く豊かな味わいで重厚なボディのワインに仕上がります。
青リンゴ・レモン・桃のような完熟果実の香りが特徴です。
リースリングの魅力が最も開花する、ドイツ産のリースリングワイン。
ぜひお試しあれ!
二次発酵でまろやかに、オーク樽熟成 or ステンレスタンク熟成で風味が全然変わる
ワインの醸造過程には、「発酵」や「熟成」といった工程が含まれます。
発酵度合いによってまろやかさが変化し、醸造方法によってワインの香りや風味に大きな違いが出るんです!
発酵は、ブドウの持つ糖分をアルコールに変える過程のこと。
どのワインも必ず発酵を行いますが、さらに発酵させる時には、この工程を「マロラクティック発酵(MLF)」と呼びます。
マロラクティック発酵(MLF)をすることで、ブドウの酸味がまろやかになり、複雑なコクが出て、滑らかな質感のバターを思わせる風味に変化します。
しかし、リースリングは基本的にマロラクティック発酵(MLF)を行いません。
リースリングの特徴である「シャープな酸味」と「凝縮した果実感」を失わないようにするためです。
追い発酵に向いている品種と向いていない品種があるんですよ。
熟成は、発酵したワインを木樽やステンレスタンクで寝かせることでワインにまろやかさや深みを出す工程のこと。
樽由来の香りや風味をワインに移してまろやかさ・複雑性・コクがプラスされる「樽熟成」。
容器の香りや風味が移らないのでブドウ品種本来のフレッシュさや個性が出せる「ステンレスタンク熟成」があります。
樽には空気が触れる木目があるので、樽熟成の方が酸化しやすいという特徴も!
一般的にリースリングに使われるのは、ステンレスタンク熟成。
木樽と違って容器の香りがワインにつかないので、リースリングの持つ豊かな香りを守ることができます。
また、密閉性が高いので酸化を防いでフレッシュさを保つこともできますよ。
リースリングの持つ「シャープな酸味」「凝縮した果実感」「豊かな香り」を活かすための醸造方法がされているのです!
長期熟成のリースリングは「ペトロール香(石油香)」と「ドライフルーツ風味」が増す
ワインの熟成といえば「赤ワイン」のイメージが強い方も多いのではないでしょうか?
しかし、リースリングは「強い酸味」と「凝縮感のある果実味」点から、白ブドウの中でも長期熟成に向いている品種なんです!
リースリングを長期熟成すると「第3アロマ」と呼ばれる香りが現れて香りに深みが増し、フレッシュな果実味から「蜂蜜」や「ドライフルーツ」のような風味に変化します。
熟成期間が長くなっていくと、香り自体のニュアンスにも変化が現れます。
収穫してから数年以内のリースリングは、青リンゴやレモンなどの果実・お花・ハーブのようなフルーティーな香り。
熟成することで、ピーチやアンズのような果実・お花のような少し甘みのある香りに変化。
さらに熟成すると、蜂蜜・ペトロール香(石油香)が混ざった深みのある高貴な香りになります。
ペトロール香(石油香)= リースリングと認識されているほど、リースリングならではの印象的な香りですよ。
リースリング独特の「ペトロール香(石油香)」の楽しみ方は?
熟成したリースリングに現れる、独特の「ペトロール香(石油香)」。
ペトロール香(石油香)しっかりと堪能したい方は、「香りを引き出すためのコツ」と「食事とのペアリング」を知っておくと良いでしょう。
リースリングのペトロール香(石油香)をより引き出すためのコツは3つ!
1つは、ワインボトルを開けた後に時間を置いてから飲むこと。
ペトロール香(石油香)は開栓直後から5分〜10分置くことで、少し酸素に触れて香りが落ち着きます。
強いペトロール香(石油香)で隠れていた柑橘系やハチミツの複雑な香りと果実味が出てくると、より上品な熟成香を楽しむことができます。
独特なペトロール香(石油香)が苦手な方にもおすすめで、時間を置くことで嗅ぎやすい香りになりますよ。
2つ目は、グラスを少し温めること。
ペトロール香(石油香)は冷たすぎると香りが閉じてしまい、11℃〜15℃くらいの「少し冷たい」くらいの温度の方が香りが立ちやすくなります。
冷蔵庫で冷やしていたワインをグラスに注いでから、手でグラスを温めたり、少し時間を置いたりしてから飲むのがおすすめです!
3つ目は、細身の白ワイングラスを使うこと。
チューリップ型の細身のワイングラスを使うと、ペトロール香(石油香)をグラスに閉じ込めて鼻までしっかり届けることができますよ。
さらに、ペトロール香(石油香)は「食事とのペアリング」で楽しむのもおすすめ。
ペトロール香(石油香)はオイリーで滑らかな印象を与える香りなので、「オリーブオイル」を使った料理と非常に相性が良いです!
オリーブオイルを垂らしたサラダ・カプレーゼ・魚介のカルパッチョ・白身魚のムニエルなど...
リースリングならではのペトロール香(石油香)を最大限楽しむ方法。
簡単な方法から、ぜひ試してみてくださいね。
リースリングから造られる甘口ワイン「貴腐ワイン」「アイスワイン」「ヴァンダンジュ・タルディヴ」の違いは?
リースリングは、「甘口ワイン(デザートワイン)」のスタイルでも人気の高いブドウ品種。
リースリングから造られる「貴腐ワイン」「アイスワイン」「ヴァンダンジュ・タルディヴ」は全て甘口ワインですが、甘くするための手法が違います。
貴腐ワインは、「貴腐菌」というカビ菌がついた白ブドウから造られる甘口ワイン。
濃厚でとろみのあるリッチな甘みが特徴です。
リースリングから造られる貴腐ワインは、リースリング特有のシャープな酸味と凝縮された蜂蜜のような甘みがバランスの良い味わいになっています。
アイスワインは、樹上で凍結した状態のブドウを収穫し凍ったまま圧搾して造る甘口ワイン。
凝縮された甘みが特徴ですが、一般的に貴腐ワインと比較してアルコール度数が低いのでワイン初心者の方でも挑戦しやすいです。
リースリングから造られるアイスワインは、蜂蜜や完熟アプリコットのような甘みをキレのある酸味が引き締めて洗練された味わいに仕上がっています。
ヴァンダンジュ・タルディヴは、フランス北東部のアルザス地方特有の「遅摘みブドウ」を使って造られるワイン。
「リースリング」「ミュスカ」「ピノ・グリ」「ゲヴュルツトラミネール」の4品種でしか製造が許可されていない、希少な極上デザートワインです。
蜂蜜のような甘美さ、濃厚さ、繊細さが特徴。
リースリングから造られるヴァンダンジュ・タルディヴは、 熟したグレープフルーツやパイナップルのような濃厚な甘みと引き締まった酸やミネラル感が絶妙にマッチした味わいになっています。
リースリングの甘口ワインは、特有の「高い酸度」のおかげで甘ったるくなりすぎない味わい。
ぜひ、自分好みの甘口ワインを見つけてみてください!
まとめ
今回は、「白ワインのブドウ品種「リースリング」の特徴は?ペトロール香(石油香)の楽しみ方なども」をご紹介しました。
いかがでしたか?
今回の内容をまとめると、
- リースリングの特徴は「比較的栽培が難しい品種」「多彩なワインスタイル」「香り豊かなアロマティック品種」「長期熟成が得意」
- リースリングが白ワイン用ブドウの3大品種に数えられるのは、「高貴な白ブドウ品種」として世界的に認められているから
- ドイツ発祥のリースリングは、フランス発祥の「シュナン・ブラン」に品種の特徴が似ている
- リースリングの性質に最も合っている栽培地は「ドイツ」
- リースリングは基本的に二次発酵しない、ステンレスタンクを使って熟成させる
- リースリングは長期熟成が得意な品種で、熟成するほどに「ドライフルーツ風味」「ペトロール香(石油香)」に変化する
- ペトロール香(石油香)を引き出すコツは、「開栓後時間を置いてから飲む」「グラスを少し温める」「細身の白ワイングラスを使う」
- ペトロール香(石油香)は、「オリーブオイル」を使って料理と相性が良い
- 甘口ワイン「貴腐ワイン」「アイスワイン」「ヴァンダンジュ・タルディヴ」は、ワインを甘くするための手法が異なる
このような感じでしたね。
白ワイン用ブドウの3大品種として有名なリースリングは、特有の「ペトロール香(石油香)」や 白ワインとしての高いポテンシャルが魅力的な品種でした!
高品質な熟成したリースリングワインだけに現れる「ペトロール香(石油香)」、ぜひ香ってみたいものです。
皆さんも、色んなスタイルのリースリングワインを試してみてくださいね。