フランス・ロワール地方発祥の白ブドウ品種「ソーヴィニヨン・ブラン」。
「シャルドネ」「リースリング」と並び白ワイン三大品種の1つに数えられる超重要品種です。
世界的に知名度が高く、寿司など和食料理にも良く合うワインとして日本でも人気があります!
1,000円台〜の手頃な価格帯のワインも多いので、ワイン初心者の方にもおすすめです。
今回は、「白ワインのブドウ品種『ソーヴィニヨン・ブラン』の特徴は?三大品種の1つである理由なども」をご紹介。
白ワイン三大品種の1つに選ばれる理由や「シャルドネ」「リースリング」との違いなども解説しています。
皆さんがソーヴィニヨン・ブランの魅力を知る第一歩になれば嬉しいです。
Contents
ソーヴィニヨン・ブランは世界一の黒ブドウ「カベルネ・ソーヴィニヨン」の親品種
「赤ワインの王様」とも称される、世界で最も栽培されている黒ブドウ品種「カベルネ・ソーヴィニヨン」をご存知でしょうか?
ソーヴィニヨン・ブランは、カベルネ・ソーヴィニヨンの親品種なんです。
2つの品種の共通点といえば、「グリーンノート」と呼ばれるハーブ・青ピーマン・若草のような清涼感のある香り。
あまりに香りが強いと「青臭い」と言われてしまうこともある青々しい香りです。
親子関係にある品種は味の傾向が似るので、お互いの品種の味わいを好みに感じることも多いです。
清涼感あるはっきりした味わいのワインがお好みの方は、ぜひどちらも試してみてくださいね。
ソーヴィニヨン・ブランの特徴
では、本題となるソーヴィニヨン・ブランの特徴を4つの観点から解説していきます。
1つは、カビが原因で起きる病気に弱いこと。
樹勢(樹の生命力)がある品種ですが、カビが原因で起こる「灰色かび病(ボトリティス)」や「うどんこ病」「ベト病」などに弱い性質があります。
粒が非常に密着していて湿気が溜まりやすいからで、こまめに剪定して風通しを良くするなどの工夫が必要です。
2つ目は、テロワール(風土)の特徴を反映しやすい品種であること。
ソーヴィニヨン・ブランはテロワール(風土)の特徴を反映しやすい品種で、出来上がるブドウやワインの香りに大きく違いが出ます。
特に土壌の質による影響が大きく、粘土石灰質の土地で育てられた場合はミネラル感ある香り、小石まじりのケイ素質の土壌で育てられた場合は火打石のようなスモーキーな香りがするなど。
また、冷涼な気候では柑橘系フルーツやハーブのフレッシュな香り、温暖な気候ではトロピカルフルーツのような濃厚な香りになりますよ。
3つ目は、フレッシュな酸味とミネラル分のある味わい。
ソーヴィニヨン・ブランにはテロワール(風土)の特徴を反映しやすい特性がありますが、ブドウ本来の高い酸味とミネラル分は共通しています。
シャルドネほど産地によってゴロッと味わいが変わるわけではないので、ワイン初心者の方にも飲みやすい品種です。
ブドウ本来の香りは、「グレープフルーツ」「レモン」「ライム」など柑橘系の香りと若い草の香り、「セージ」や「カシスの葉」などハーブの香りが特徴。
清涼感のある香りと高い酸味が相まって、辛口(ドライ)ワインに非常に向いています。
4つ目は、他の白ブドウ品種とのブレンドワインも多いこと。
「セミヨン」や「ミュスカデル」など、ソーヴィニヨン・ブランよりもふくよかなコクのある味わいを持つ白ブドウ品種とブレンドされることが多いです。
ソーヴィニヨン・ブラン特有の生き生きした酸味にふくよかな味わいがプラスされて、単体の時の爽やかさとはまた違ったリッチな味わいのワインに仕上がります。
4つの特徴、いかがでしたか?
ブドウ本来の香りや味わいがしっかり存在しながらも、テロワールの特徴に影響されやすい繊細さや他のブドウ品種とも混ざり合える優しさを持ち合わせた品種なのです。
「シャルドネ」「リースリング」と並ぶ白ワイン三大品種の1つ
ソーヴィニヨン・ブランは、白ワイン三大品種の1つとして「シャルドネ」「リースリング」と肩を並べるブドウです。
どれも世界的な認知度と人気があり、多様なスタイルの食事と相性が良い万能な品種。
しかし、味わいには明確な違いがあります。
ソーヴィニヨン・ブランは、柑橘系のフルーツとハーブ感が特徴的な爽やかで強い香り。
後味すっきりなので、どんな料理にも寄り添える魅力があります。
シャルドネは、涼しい地域では酸味が強く、暖かい地域では濃厚な味わいなど、風土の影響を受けて味わいが七変化する品種。
味わいは変わりますが、基本的しっかりしたコクとボリューム感のあるワインになります。
リースリングは、「グレープフルーツ」や「レモン」など柑橘系の香りと豊かなミネラル感、シャープな酸味が特徴。
アルコール度数低めのワインが多く、全体的にすっきりした印象です。
すっきり爽やかなワインが飲みたい方は「ソーヴィニヨン・ブラン」、コクのあるワインが飲みたい人は「シャルドネ」、アルコール度数が低めで果実味のあるワインが飲みたい方は「リースリング」がおすすめですよ。
ソーヴィニヨン・ブランの特徴から分かる「栽培に適した産地」
ソーヴィニヨン・ブランの栽培に適した産地は、「痩せた土壌」「冷涼〜温和な気候」「日照量が多い」という条件が揃っています。
世界中で育てられているソーヴィニヨン・ブランですが、最適な地域として名を挙げたいのは「ニュージーランド南島のマールボロ地区」。
「ソーヴィニヨン・ブランの聖地」とも称される場所です。
冷涼な気候と適度な日照量によって、早熟で糖度の上がりやすいソーヴィニヨン・ブランの酸味をキープしながらゆっくりと成熟させることができます。
また、痩せた土壌が樹勢(樹の生命力)の強いソーヴィニヨン・ブランの成長スピードを抑制して果実まで栄養を行き届かせてくれます。
環境条件がぴったり合っていることで、鮮やかな果実味とハーブのような清涼感溢れる高品質なワインが誕生するのです!
ブドウの香りを引き出しコクを増す「低温スキンコンタクト」技術のワインが人気
ワインの醸造技術の1つに、「低温スキンコンタクト(低温マセレーション)」があります。
低温スキンコンタクトとは、砕いたブドウの果汁と果皮を5℃〜15℃くらいの低温で数時間〜24時間ほど一緒に漬けておく技法のこと。
スキンコンタクトは赤ワインを造るのに必ず行う工程ですが、白ワインを造る時にも行われることがあります!
白ブドウを長時間スキンコンタクトすると「オレンジワイン」になりますが、低温&短時間のスキンコンタクトなら白ワインのまま。
ブドウの香りを最大限引き出しながら、果皮に含まれるタンニン(渋み成分)の抽出によってワインにボリューム感とコクが増します。
ソーヴィニヨン・ブラン特有の豊かな香りや爽快さと、飲みごたえが両立したワインになるのです。
さっぱりしたソーヴィニヨン・ブランに飲みごたえが足されることで、「脂の乗った魚料理」や「ハーブを使った料理」など、相性の良い料理の幅が広がります♪
スキンコンタクトは自然派ワイン(ナチュラルワイン)でもよく使われる手法なので、トレンドのスタイルとしても人気!
これからオレンジワインに挑戦してみたい方の入門ワインとしてもおすすめですよ。
長期熟成のソーヴィニヨン・ブランは「ドライハーブ」「キノコ」のような複雑な熟成香
ソーヴィニヨン・ブランは、一般的にはフレッシュでフルーティーな香りを楽しむために早飲み(購入後1〜2年以内)タイプのワインが多い品種。
しかし、樽熟成されたワインや長期熟成に向いている品種(セミヨンなど)とブレンドされたワインに関しては、5年〜10年以上の長期熟成が可能になります!
若いソーヴィニヨン・ブランは、「グレープフルーツ」や「レモン」など柑橘系の果実香やハーブ香などの爽やかな香り。
熟成するとフレッシュなハーブ香が「ドライハーブ」の香りになり、「ハチミツ」「ナッツ」のような濃厚さに加えて「キノコ」のような土っぽいニュアンスまで加わります。
「第3アロマ(熟成香)」によって、複雑で深みのあるワインに仕上がるのです。
クリーミーな白ワインがお好きな方、いつものソーヴィニヨン・ブランとは違う味を飲んでみたい方におすすめですよ!
ソーヴィニヨン・ブランの香り研究の貢献者は日本人博士!
ソーヴィニヨン・ブランは、ブドウの香り成分の研究が最も進んでいる品種の1つ。
その研究に大きく貢献したのが、ワイン研究の名門ボルドー大学で研究を行っていた富永敬俊博士です。
ソーヴィニヨン・ブランの大意表的な香り成分は、「メルカプト・ヘキサノール(3MH)」「メルカプト・ペンタノン」「メトキシピラジン」です。
メルカプト・ヘキサノール(3MH)は、「グレープフルーツ」にも含まれる柑橘香の成分。
メルカプト・ペンタノンは、強く青っぽい「カシスの芽」の香り成分。
メトキシピラジンは、「青草」「青ピーマン」「土のような香り」の成分。
富永敬俊博士ら研究チームは、これまで解明されていなかったワインの香りを科学的に特定したのです!
さらに富永敬俊博士は研究成果を元に、日本固有のブドウ品種「甲州」からソーヴィニヨン・ブランのような柑橘系の爽やかな香りを引き出すことに成功。
元々は香り控えめだった甲州を、香り豊かな白ワインへと一気に押し上げました。
日本人の富永敬俊博士も携わった研究が、日本ワインの地位向上とともに、ワイン醸造技術の進歩をもたらしたのです!
まとめ
今回は、「白ワインのブドウ品種『ソーヴィニヨン・ブラン』の特徴は?三大品種の1つである理由なども」をご紹介しました。
いかがでしたか?
今回の内容をまとめると、
- ソーヴィニヨン・ブランは黒ブドウ「カベルネ・ソーヴィニヨン」の親品種であり、清涼感のある香りが遺伝している
- ソーヴィニヨン・ブランの特徴は「カビが原因で起きる病気に弱い」「テロワール(風土)の特徴を反映しやすい」「フレッシュな酸味とミネラル分」「他品種とのブレンドワインも多い」
- ソーヴィニヨン・ブランは白ワイン三大品種の1つで、すっきり爽やかなソーヴィニヨン・ブラン、コクのあるシャルドネ、アルコール度数が低めで果実味のあるリースリングという各々の個性がある
- ソーヴィニヨン・ブランの栽培に適した産地には「痩せた土壌」「冷涼〜温和な気候」「日照量が多い」が揃っていて、ニュージーランド・マールボロ地区が聖地といわれる
- ソーヴィニヨン・ブランの豊かな香りを最大限引き出してコクを増した「低温スキンコンタクト」のワインが人気
- ソーヴィニヨン・ブランは長期熟成できるワインもあり、「ドライハーブ」「キノコ」のような複雑な熟成香がする
- ソーヴィニヨン・ブランの香り研究には日本人の富永敬俊博士が大きく貢献していて、日本ワインの地位向上とワイン醸造技術の進歩を実現した
このような感じでした。
さすが、白ワイン三大品種の1つであるソーヴィニヨン・ブラン。
栽培しやすさや知名度だけでない魅力がたっぷりありました!
皆さんも、ぜひ飲んでみてくださいね。