イタリア・カンパーニア州原産の白ブドウ品種、フィアーノ。
別名「アピアーナ」や「ラティーナ」とも呼ばれています。
今回は、「白ワインのブドウ品種『フィアーノ』の特徴は?ミツバチに愛される南イタリアの最高峰品種」をご紹介します。
南イタリアの最高峰とまで称される所以はどこにあるのか?
歴史・香り・味わい・造られるワインなど、ワイン初心者の方にも分かりやすく解説しますよ。
皆さんが、フィアーノのワインに興味を持つきっかけになれば嬉しいです!
Contents
特徴1:フィアーノは南イタリア最高峰の土着品種!田舎町「ラピオ」に由来する
イタリア南西部の食の宝庫であるカンパーニャ州や、地中海最大の島であるシチリア島で主に栽培されているのが、フィアーノ。
南イタリアが誇る最高品質のブドウ品種の一つであるとともに、最も古くから栽培されている古代品種でもあります。
その歴史は長く、なんと古代ローマ時代には既に存在していたと言われています。
当時は、古代ギリシャ人が足踏みしながらブドウ果汁を絞ってワインを造っていたのでしょうか...
フィアーノの発祥は、イタリア南部の渓谷に囲まれた田舎町ラピオ。
人口約1,500人の静かな場所です。
フィアーノには「ラティーノ」という別名(シノニム)があり、これはラピオに由来しているとも言われているそう。
ちなみに、イタリア・プーリア州では「フィアーノ・ミヌートロ」という名前の似ている品種がありますが、これは全くの別品種。
ややこしいので、2011年に正式学名が「ミヌートロ」に変更されていますよ。
今では南イタリアの誇りとも言える最高峰フィアーノ種ですが、その始まりは小さな田舎町。
現在の人気に至るまでのストーリーを、この後詳しく解説します!
特徴2:【歴史】絶滅の危機から復興したフィアーノの軌跡とは?
南イタリアを代表するほどの人気品種フィアーノは、古代ローマ時代からずっと人気だったのでしょうか?
いいえ、570年以上の軌跡を辿ればその歴史は決して順風満帆ではありません。
西暦1453年以前にすでに存在していたフィアーノですが、品質の高さが魅力ながら、生産性の低い品種でした。
樹の性質としてそもそも収穫量が少ない上に、果粒は小さく果皮が厚いので一粒から絞りだされる果汁は極めて少量。
19世紀〜20世紀にかけて、採算性が低い品種としてフィアーノの需要は減少していきました。
代わりに、同じくイタリア原産の「トレッビアーノ」や「サンジョヴェーゼ」といった生産性の高い品種が多く栽培されるように。
栽培農家が減ったことで絶滅寸然まで追い込まれたフィアーノに、転機が訪れたのは1945年のこと。
イタリアの名門ワイナリーであるマストロベラルディーノ社が、伝統品種の再興を掲げて保護や栽培に動き出したのです。
初めてフィアーノ100%ワインを生産し、高品質の素晴らしい味わいに再び注目が集まることとなりました。
実力で人々を唸らせ、復興を果たしたフィアーノ!
長い歴史に隠されたストーリーも、フィアーノを魅力的にする材料ですね。
特徴3:通称「アピアニス」。ミツバチを虜にするほどの甘い香りを放つ
南イタリアの最高峰品種、その香りや味わいが気になりますよね?
フィアーノ最大の魅力は、ハチミツやジャスミンを思わせる溢れんばかりの上品で甘い香り。
フィアーノは通称「アピアニス」と呼ばれ、これはラテン語で「ミツバチに愛された」と言う意味です。
完熟したフィアーノのハチミツのように甘い香りに誘われて、ミツバチが集まってくるそう。
決して強烈で嫌な感じというわけではない甘く強い香り、ぜひブドウそのままも香ってみたいものです。
味わいに関しても、意外にもすっきりした口当たりが印象的!
酸味とミネラル感のバランスによって、ぼやけず引き締まった味わいにしてくれます。
その飲みやすさもまた、フィアーノをより魅力的に見せているのではないでしょうか?
特徴4:代表格「フィアーノ・ディ・アヴェッリーノ」はイタリアワイン格付け最上位のD.O.C.G.
では実際に、フィアーノから造られるワインの代表格をご紹介しましょう。
それば、イタリア南部のカンパーニャ州・アヴェッリーノで醸造される辛口ワイン「フィアーノ・ディ・アヴェッリーノ」。
フィアーノのワインの最高傑作と言われる、欠かせない存在です。
イタリアワインには、品質を評価する4段階の格付けが存在します。
フィアーノ・ディ・アヴェッリーノは、1978年に最高位の次に順する位「D.O.C.」に指定され、2003年にはなんと最高位「D.O.C.G.」に昇格しました!
厳しい評価基準を満たしたD.O.C.G.は、イタリア全土のワインの10%以下の貴重な存在。
フィアーノ・ディ・アヴェッリーノの格式高さを表しています。
フィアーノ・ディ・アヴェッリーノの味わいもご紹介!
黄色がかった麦わら色のワインで、熟成するにつれて深いゴールドに変わってきます。
砂糖漬けのオレンジや桃、カモミールやミモザの新鮮な花の香りが上品に混ざり合い、かすかにヘーゼルナッツやアーモンド感が感じられます。
同じ白ブドウ品種なら「ヴィオニエ」、香水なら「ホワイトフローラル」や「フルーティー」系の香りが好きな方に刺さるかもしれません。
コクがありながら、火山性土壌由来のミネラル感と酸味のバランスが良く余韻にほろ苦さが残ります。
3,000円台〜10,000円台以上と価格帯は幅広いので、シーンに合わせて選ぶことができますよ。
フィアーノを象徴する白ワイン、興味を持った方はぜひ一度ご賞味あれ!
特徴5:フィアーノは長期熟成できる!フルーティーな甘さから芳醇な甘さに変化
そもそもハチミツのような甘美な香りを放つフィアーノのワインですが、また違った魅力を楽しむ方法があります。
それは、フィアーノの長期熟成ワインにトライすること!
長期熟成できない白ワインが多い中、フィアーノは非常に長期熟成向きなのも、南イタリアの最高峰と称される所以の一つです。
なんとフィアーノは10年〜20年以上の熟成が可能で、熟成により味わいに深みが出て、香りの種類が変化していきます。
若いうち(収穫後1年〜3年)はフルーティーな甘さの香りですが、熟成すると芳醇な甘さの香りに。
味わいはすっきりしたものから、とろみのある高級感溢れる味わいに変わります。
「フィアーノの魅力をさらに一歩踏み込んで楽しみたい!」と思った方は、ぜひ熟成したフィアーノを飲んでみてください!
また「熟成ワインはレベルが高いかも...」と思われる方も、意外と挑戦できるかもしれません。
なぜなら、熟成によって酸味がまろやかになった状態が飲みやすいと感じる方も多いからです。
熟成したフィアーノだからこそおすすめなトリュフ料理や熟成チーズとのペアリングもぜひ試してみてくださいね。
飲んでいるうちに、長期熟成ワインの沼にハマってしまうかもしれません...!
まとめ
今回は、「白ワインのブドウ品種『フィアーノ』の特徴は?ミツバチに愛される南イタリアの最高峰品種」をご紹介しました。
いかがでしたか?
今回の内容をまとめると、
- 南イタリア最高峰の白ブドウ品種であり、古代ローマ時代には田舎町ラピオに誕生していた古代品種
- 生産性の低さから一度絶滅しかけたが、イタリアの名門ワイナリー・マストロベラルディーノ社の取り組みによって人気が復活した
- ラテン語で「ミツバチに愛された」を意味する「アピアニス」とも呼ばれるほど、熟成すると甘美な香りを放つ
- イタリアワイン格付け最上位のD.O.C.G.が与えられるほどの優れた白ワイン「フィアーノ・ディ・アヴェッリーノ」を生み出す
- 長期熟成のポテンシャルが高く、フルーティーな甘さから芳醇な甘さに香りが変化する
このような感じでした。
ミツバチが寄ってくるほど魅力的な香り...
個人的にもとっても興味があります!
まずは代表格の「フィアーノ・ディ・アヴェッリーノ」から、さらには長期熟成ワインまでぜひ魅力にたっぷり浸かってみてくださいね♪