フランス・ボルドー地区発祥の白ブドウ品種、フリウラーノ。
現在は、イタリア北部のフリウリ・ヴェネツィア・ジューリア州を代表する白ブドウとして有名です!
今回は「白ワインのブドウ品種『フリウラーノ』の特徴は?フリウリ州で愛される酸っぱくない味わい」をご紹介。
フリウラーノの歴史・香り・味わいなど分かりやすく解説します。
酸っぱくないのが魅力の1つなので、ワイン初心者の方にもおすすめの品種です☆
みなさんがフリウラーノのワインに興味を持つきっかけになれば嬉しいです。
Contents
特徴1:郷土の誇りとして愛される北イタリア・フリウリ州の顔
イタリア北部に位置するフリウリ・ヴェネツィア・ジューリア州をご存知ですか?
ブーツみたいな形をしているイタリアの地形ですが、フリウリ州はその一番上の履き口の右側らへんに当たります。
「白ワインの聖地」として知られており、フリウリ州を代表する白ブドウ品種として愛されているのがフリウラーノなんです。
フリウラーノの発祥は、実はフランス・ボルドー地区。
近年のDNA鑑定により、フランス・ボルドー地区原産の古品種「ソーヴィニヨナス(ソーヴィニヨン・ヴェール)」と全く同じ品種であることが判明しました。
フランスでは地味なブレンド用ブドウとして扱われていましたが、イタリアに渡ったことで気候に適合して独自の進化を遂げていきます!
今では、故郷の誇りとされるまでに成長しましたよ。
イタリア北東部のヴェネト州や、イタリア北西部のロンバルディア州でも栽培されています。
フリウラーノのワインは、故郷ではデイリーワインとしても、特別なワインとしても楽しまれています。
居酒屋にふらっと寄って1杯ワインを飲む「タヤル」という習慣に使用される100%カジュアルなフリウラーノ。
かと思えば、5年以上熟成させたフリウラーノはゲストをもてなすための特別な1本として使われることも多いです。
フリウリ州の人々にとって、どんなシーンにも寄り添ってくれる代えのきかない特別な存在なのです!
特徴2:「トカイ」の名を失った過去。波乱万丈な歴史がフリウラーノの魅力を増す
300年以上前に誕生した、フリウラーノ。
今日に至るまでに、波乱万丈の歴史を辿っています。
その最たるものが、20世紀最大級の法廷戦争とも呼ばれるほどの激しいドラマを繰り広げた「トカイ戦争」。
先ほどの通り、フランスで誕生し、後にイタリアへ渡ってきたフリウラーノ。
実は2007年まで「トカイ・フリウラーノ」という名前で呼ばれていたんです。
しかし、ハンガリーVSフリウリ州の10年以上の法定闘争の末、フリウラーノは「トカイ」の名を失うことになります。
事の発端は、1993年にハンガリー政府から「イタリアがラベルに『トカイ』の名を使うのはやめてほしい」という申し出があったことから。
ハンガリーにはトカイ地方という地名があり、世界最高峰の貴腐ワイン「トカイ」があります。
この名前をブドウの品種名に使われてしまっては、消費者の誤解を招くと主張したのです。
この主張にフリウリ州の人々は猛反発しましたが、10年以上の泥沼裁判の末、下された判決は「地名の方が優先」というもの。
こうしてトカイ・フリウラーノの名は消え、フリウリのブドウを意味する「フリウラーノ」という新しい名前を掲げることになったのです。
ただし、シニア世代の生産者や熱狂的なワインラバー達の心には、今だにトカイという呼び方が生き続けているそう。
多くの出来事を経て、故郷との絆を深めてきたフリウラーノ。
ブドウの辿ってきた歴史を知ると、ワインを飲む時に愛着が湧きますよね。
特徴3:印象的な「生アーモンド」の香り。トゲのない優しい香りが混ざり合う
フリウラーノのワインは、優しくて奥深い香り。
ソーヴィニヨン・ブランなどのような一気に広がる派手な香りではありません。
唯一無二のシグネチャーは「生アーモンド」。
ローストナッツの香ばしさとは違った、生アーモンドや杏仁を思わせるようなほろ苦く甘い香りです。
ほろ苦さがワイン全体をキリッと引き締めて大人な印象にしてくれます。
ここに混ざるのが、洋ナシ・リンゴなどもぎたての果実香、カモミールなど繊細な花の香り、タイム・セージのようなハーブ香。
色んな香りが混ざっているにも関わらず全ての香りにトゲがなく優しいため、結果的に上品にまとまっているのが凄いんです!
自然の風景を思い浮かばせるような優しい香りがフリウラーノの魅力ですよ♪
特徴4:リッチなコクとほろ苦さが優しく包み込む「酸っぱくない白ワイン」
次に、フリウラーノのワインの味わいをみていきましょう。
その最大の特徴は、酸っぱくないこと。
「リースリング」「ソーヴィニヨン・ブラン」など有名な白ワインには、キュッとする強い酸味を魅力とするものも多いです。
しかし、フリウラーノは酸っぱくなくてまろやかで、なのにダレた味(ぼやけた味)にならないのが凄い!
酸味の代わりに、豊かなエキス分(旨味)とミネラルによる塩気がワインの骨格をしっかり保ってくれます。
前半には穏やかな酸味と果実味が感じられ、中盤には旨味と塩気、後半にはアーモンドのほろ苦さが全体を引き締めてくれます。
全体的な味わいのバランスが絶妙なのです!
もちろん、食事とのペアリング力も抜群。
酸っぱくないのに旨味と塩気があるので、素材の味わいを活かした和食に完璧に寄り添ってくれますよ☆
「白ワインの酸っぱさが苦手...」という方に、自信を持っておすすめできるワインです!
ツンとした酸味がないので、口当たりも滑らかでスイスイ喉を通りますよ。
特徴5:太い骨格と優しい香りが多彩なワインのスタイルを実現させる
みなさんは、白ワインの中にも色んなスタイルがあることをご存知でしょうか?
例えば、ステンレスタンク熟成したフレッシュなスタイル、樽熟成した濃厚なスタイル、赤ワインのように造ったオレンジワイン、糖度を高めたデザートワインなど...
ブドウの持つ個性に合わせて造られます。
どれかのスタイルの生産に偏るブドウも多い中、フリウラーノは実に色んなスタイルのワインが造られます。
それは、フリウラーノの太い骨格と優しい香りが可能にしています。
スタイル別にどんな味わいになるかというと...
王道のステンレスタンク熟成でフレッシュに仕上げたものは、もぎたての青リンゴや洋ナシの香りとミネラル感ある爽快な味わい。
樽熟成でリッチな仕上がりにしたものは、ハチミツやローストナッツの甘さと香ばしさを感じる肉厚な味わい。
オレンジワインに仕上げたものは、ドライアプリコットやスパイスの強烈な香りと、白ワインとは思えないほどの渋みがあります。
さらにデザートワインに仕上げたものは、メープルシロップのような濃厚な甘みと、フリウラーノ特有のほろ苦さが合わさっています。
ワインのスタイルによって、フリウラーノの色んな顔が見られるのです!
まとめ
今回は「白ワインのブドウ品種『フリウラーノ』の特徴は?フリウリ州で愛される酸っぱくない味わい」をご紹介しました。
いかがでしたか?
酸っぱくない優しさが魅力的な、フリウラーノのワイン。
白ワインに慣れていない方も、ぜひ手頃なデイリーワインから挑戦してみてはいかがでしょうか?