ギリシャ発祥の白ブドウ品種、マルヴァジア。
海を渡り、今ではマルヴァジアの世界栽培面積の40%〜60%をイタリアが占めています。
今回は「白ワインのブドウ品種『マルヴァジア』の特徴は?変幻自在にスタイルが変化する巨大家族」をご紹介。
マルヴァジアの香り・味わい・ワインの種類などを分かりやすく解説します。
スタイルが多様なので、あなたの好みに合うワインがきっと見つかるはず!
皆さんがマルヴァジアのワインに興味を持つきっかけになれば嬉しいです。
Contents
特徴1:古代ギリシャ発祥のマルヴァジア・ファミリー!20種類以上の亜種が存在する
マルヴァジアは、古代ギリシャ時代にはすでに栽培されていたとされる歴史の古い品種。
当時はギリシャ語で「モヌムヴァジア(=唯一の入り口)」と呼ばれていましたが、徐々にイタリア語に変わり、現在の「マルヴァジア」になりました。
マルヴァジアの特徴といえば、20種類以上の亜種(同じ種類の中で姿や形が違うグループ)が存在する巨大なファミリーであること!
マルヴァジアは、複数のブドウの総称なのです。
ほとんどが白ブドウですが、中には色の淡い黒ブドウもあります。
それぞれの亜種が散らばって、なんとイタリアほぼ全土で栽培されているんですよ!
そんな巨大ファミリーですが、面白いのが、実は全てのブドウに遺伝子関係があるわけではないこと。
遺伝子的に全く無関係の、いわば赤の他人も沢山混ざっているんです。
なぜこうなったかというと、中世ヨーロッパで高級ブランドだったマルヴァジアの名にあやかろうと考えたブドウ農家が沢山いたから。
次々とマルヴァジアと名乗るブドウが増えていったのです。
また、突然変異や現地ブドウとの自然交配によっても増加。
もちろん中には「マルヴァジア・ディ・リパリ」や「マルヴァジア・ビアンカ・ルンガ」など遺伝子関係にあるブドウも存在しますよ。
ワインのブランドや品種名を管理するワイン法が整備されたのは20世紀頃で、多くの農家がマルヴァジアを名乗りで始めたのは14世紀〜17世紀頃。
法律が整備された頃には、すでに時遅し。
「DNAが違うから名前を変えて」とは言えない状況になっていたのです。笑
それぞれの州に、それぞれのマルヴァジア。
イタリア全土で愛されている品種には、面白い歴史があったのですね。
特徴2:イタリア全土で栽培されるのは、人生のあらゆるシーンに寄り添うワインだから
先ほどの通り、イタリアのほぼ全土で栽培されているマルヴァジア。
中でも、ラツィオ州で特に栽培が盛んです。
ちなみに、フランス・ドイツ・スペイン・ポルトガル・アメリカ・オーストラリア・ブラジルなど世界中にも広く分布していますよ。
マルヴァジアがこんなにもイタリアで栽培されている理由、その1つはイタリアの風土に合っているから。
20種類もの亜種がいれば、その土地に合うマルヴァジアが存在します。
もう1つは、イタリア人の人生を彩ってきたワインだから。
20種類以上の個性を持つマルヴァジアからは、実に色んなスタイルのワインが生み出せます。
友人との気軽な乾杯にはスパークリングワイン、いつもの食卓には白ワイン、静かな夜には極甘口のデザートワインなど...
人生のどのシーンにおいても、マルヴァジアのワインを添えることができるのです♪
特徴3:白・赤・辛口・極甘口・微発泡まで変幻自在なワインのスタイル
マルヴァジアが愛される理由は、先ほどの通り、変幻自在なワインのスタイルにもあります。
亜種が多いため、それぞれの個性を生かして白・赤・辛口・極甘口・微発泡まで造れるのです。
亜種の中には黒ブドウも含まれるので、赤ワインまで造れてしまうのが驚きですよね...!
王道は、辛口白ワイン。
洋ナシや白桃の上品な香りと、舌の上にジワジワ広がる出汁のような旨みと塩味を楽しむ本格的な味わいです。
フレッシュな微発泡ワインは、プチプチ優しい泡と果実味が爽快なスタイル。
グラスに注いだ瞬間に、マスカットと白い花の香りが爆発します!
他にも、とろっと蜜のように濃厚な極甘口ワイン。
渋みが少なくベリージュースのような味わいの、超レアな赤ワイン。
近年人気のオレンジワインや、シェリー(酒精強化ワイン)まで造られています!
ちなみに、産地としてはイタリア北部がワインのバリエーション豊富。
「コッリオ・ゴリツィアーノDOC」や「イゾンツォ DOC」など産地名を冠した白ワインや、ピエモンテ州では赤のスパークリングワインまで造られているそうです。
赤のスパークリングワイン、飲んだことありますか...?!
多様な個性の亜種がいるマルヴァジアだからこその、圧倒的なレパートリーですよね。
特徴4:香りは香水のように華やかで、味わいはコク深く本格派
マルヴァジアのワインでは、どんな香りや味わいが楽しめるのでしょうか?
亜種が多く、ワインのスタイルも多様なので一概に言うのは難しいですが...
共通しているのは「華やかな香り」と「リッチな旨み」でしょう!
マルヴァジアは、ブドウ自体の香りがとても強い品種。
グラスからぶわっと漂う香りは「香水みたい」と形容されることもあるほどです。
グラスから溢れるのは、マスカット・桃・アプリコット・洋ナシなどもぎたて果実に、花の上品さやハーブの清涼感が混ざった香り。
目の前に果樹園や花畑が浮かぶほどの贅沢な香りです...!
とても華やかな香りに対して、味わいはしっかり本格派。
凝縮された果実味とトロッとした口当たりのワインは、満足感たっぷり。
中盤は地中海で育まれた塩気がやってきて、飲み込んだ後には炒ったアーモンドやグレープフルーツの皮のようなほろ苦さが残ります。
ちなみに、珍しいマルヴァジアの赤ワインはイチゴ・ラズベリー・チェリーのようなきゅんとするフレッシュな果実香。
味わいもベリーの果汁をぎゅっと絞ったような肉厚な旨みですが、奥底にはビターチョコレートのような風味も感じられますよ。
甘そうな香りのイメージを良い意味で裏切るコク深く大人な味わいが、マルヴァジアの魅力なのです!
特徴5:イタリアの最高峰白ワイン「マルヴァジア」を生み出す。香りが強いのに圧倒的な熟成力!
マルヴァジアに興味を持たれた方、どのワインを飲めばいいのか迷ってしまいますよね。
そんな方におすすめの代表的なワインは、品種名が直球で書かれたイタリアの最高峰白ワイン「マルヴァジア」です!
マルヴァジアのワインには、他品種とブレンドした「フラスカーティ」や「ヴィン・サント」など有名なものもあります。
しかし、マルヴァジアの真髄を知りたいのであれば「マルヴァジア」と直球で書かれたワイン一択!
マルヴァジア最大の武器である、華やかな香り・肉厚な果実味・大人のほろ苦さをダイレクトに感じられます。
マルヴァジア100%で勝負するということは、高品質で自信のあるワインだという証拠でもあるのです。
そして最高峰の称号に絶対必要なのが、長期熟成を経てさらに美味しくなれるポテンシャル。
マルヴァジアはこの能力が天才的で、ブドウ自体の香りが強いのに長期熟成能力も高いのはとんでもなく凄いことなんです!
若いうちの瑞々しい果実感や華やかな香りから、10年〜20年以上の熟成を経てハチミツ・ドライアプリコット・白トリュフ・ナッツなどの複雑な香りが開花。
元々の香りが消えるのではなく、より高貴な香りに進化しています。
これらの特徴によって、イタリアの最高峰白ワインとまで呼ばれているのですね。
最高峰のワインとしては良心的な価格(1万円台〜)なので、少し贅沢したい時にぴったりですよ☆
まとめ
今回は「白ワインのブドウ品種『マルヴァジア』の特徴は?変幻自在にスタイルが変化する巨大家族」をご紹介。
いかがでしたか?
多彩な魅力のマルヴァジア・ファミリー。
あなたの好みに合うのはどのマルヴァジアでしょうか?
ぜひ飲み比べて探してみてくださいね!