フランス南部・ランドック地方が原産の白ブドウ品種、クレレット。
「クレレット・ブランシェ」「ブランケット」「ヴィヴァンディエール」「プティ・ブラン」など、多くの別名(シノニム)で親しまれています。
今回は「白ワインのブドウ品種『クレレット』の特徴は?野生のハーブ香漂う南仏の実力者」をご紹介。
南フランスで愛され続けるクレレットの、香り・味わい・ペアリングなど分かりやすく解説します。
「飲んだことない品種のワインに挑戦してみたい」という方へ!
皆さんがクレレットのワインに興味を持つきっかけになれば嬉しいです。
Contents
特徴1:南フランスの最古品種のひとつ!高級白ワインを支える隠れた実力者
クレレットという品種、皆さんは聞いたことがあるでしょうか?
日本ではかなり流通量が少なく、日本産のクレレットはほぼゼロだと思われます。
クレレットは、フランス南部・地中海沿岸に広がるランドック地方で450年以上前に誕生したとされる品種。
1575年には初めて文献に登場しており、「モーザック」や「ブルブーラン」と並んで南仏発祥の白ブドウで最も歴史の長い最古品種の一つです。
クレレットはなぜ南フランスで長く愛され続けているのでしょう?
その理由の1つに「超実力派」といえるポテンシャルの高さがあります。
クレレットは単体でスポットライトを浴びるような品種ではありませんが、ブレンドワインの引き締め役としての大役を担っています。
実際、白ワイン「ジゴンダス・ブラン」では「クレレットを70%以上含まなければならない」という規定が設けられるほど。
その他にも、大器晩成型と称されるほどの熟成ポテンシャル。
テロワール(風土)の特徴をワインの味わいに反映する力なども高く評価されています。
クレレットは、南仏(南フランス)の高級白ワインを支える隠れた実力者なのです!
特徴2:名前通り「clairet=澄んだ」色合いのワインを生む
特徴的な品種名ですが、その由来はフランス語の「claire(クレール)=澄んだ透明感」からきています。
名前通り透明感あるクリスタルグリーンのワインは、清涼感を感じる見た目。
瑞々しく心地よい苦味が残るワインの味わいともぴったりリンクしています。
クレレットの実は、私達が一般的に想像する丸くて大きな粒ではなく、楕円形で少し先が尖ったシャープな形。
造られる房は、シャルドネよりも明らかに大きなサイズで円筒状をしています。
さらにクレレットで特徴的なのが、葉っぱの裏側にびっしり生えた白い綿毛。
綺麗だから生えているわけではなく、南仏の猛暑・強い乾燥・激しい強風から身を守るための防御スーツ的な役割を果たしています。
葉っぱが強風に吹かれてヒラヒラ裏返り、綿毛の白銀色がキラキラ煌めく様子も、名前の由来になったと言われています。
特徴3:代名詞は甘く清涼感ある「ガリーグ(野生のハーブ)」の香り
ワインを選ぶ上で最も重要視されるポイント、クレレットの香りや味わいを見ていきましょう!
クレレットの代名詞といえば、甘く清涼感ある「ガリーグ(野生のハーブ)」の香り。
ガリーグの香りには「タイム」「ローズマリー」「フェンネル」「セージ」の4つのハーブが主に含まれています。
乾燥したスパイシーな、清涼感のある香り。
分かりやすくいえば、チキンやポテトをハーブ焼きにした時のオーブンを開けた瞬間に漂う香り、みたいな感じです...!
さらによく香れば、グレープフルーツ・レモン・青リンゴなどの果実香や、アカシア・スイカズラに似たフローラルな香りも見つけられるでしょう。
爽快な香りは、「ヴェルメンティーノ」や「ミュスカデ」ワインの香りが好きな方に刺さるかもしれません。
また味わいに関しては、さっぱりしているかと思いきや、実はボリューム感がありコクがしっかりあります。
口に含んだ時はすっきりしていますが、飲み込む時には十分な飲みごたえを感じるでしょう。
アルコールが高めなのでお酒感を感じられ、後味にはほろ苦さが残る大人な味わいのワインです♪
ちなみに、クレレットのスパークリングワインを選べばお酒感がかなり優しくなりますよ。
特徴4:地中海性気候が最適!9割以上が南フランス産
日本で流通量の少ないクレレットですが、なんと原産地の南フランスで9割以上が栽培されています。
栽培量が多いのは、南フランスの「地中海性気候」と「痩せた土壌」がクレレットにとって最適な栽培環境だから。
クレレットには、樹勢が強い・まっすぐ育つ・超晩熟型・肥沃な土壌が苦手・乾燥に強い・頑丈な果皮...といった性質があります。
極端で個性の強い性質ですが、これがなんと南フランスの環境と相性抜群。
痩せた石だらけの土壌が勢いよく育つクレレットの成長をほどよく抑え、地中海性気候の長くて温かい秋によって完熟した状態で収穫を迎えることができます。
さらに、南フランス特有の強風(ミストラル)に負けない枝の強さも、ブドウ農家に好まれる理由です。
南フランスの土地は、クレレットのわがままな性質を全て包み込んでくれる楽園のような場所といっても過言ではないでしょう。
今は日本でほぼ栽培されていませんが、「暑さに強くて、酸味が消えず、和食に合う」クレレットが、日本で栽培されるようになる未来も遠くないかもしれません...!
特徴5:和食や地中海料理とのマリアージュで真骨頂を発揮!キンキンに冷やして食前酒にも☆
皆さんは、ワインをどんなタイミングで飲みますか?
一般的に、食事の前から飲み始める「食中酒」か、食事をより引き立てる「食中酒」として楽しまれる方が多いでしょう。
クレレットは食前酒としても十分ポテンシャルがありますが、真骨頂を発揮するのは食中酒として!
ワインによって相性の良い食事(ペアリング)がありますが、クレレットは日本の「和食」や、故郷の「地中海料理」とのマリアージュが至高。
ペアリングの和食は、山菜や白身魚の天ぷら・鮎の塩焼き・柚子胡椒の焼き鳥など...
クレレットの酸味が油っぽさを消して口をさっぱりさせ、ほどよい苦味が食材の旨みを引き立ててくれます。
また、故郷の味である地中海料理とのペアリングには、ブイヤベース・ラタトゥイユ・タコのガリシア風などがおすすめ!
クレレットのハーブ感やスパイス感が、料理のスパイス感とばっちり調和しますよ。
そして、クレレットを食前酒として楽しむ場合。
6℃〜8℃くらいのキンキンに冷やしておくと、酸味がさらに引き締まって食欲を掻き立ててくれます!
冷やした状態の方がアルコール感を感じずらいので、1杯目のワインを爽快に始められる...という効果も。
食事に対するワクワクを倍増させる、最高の食前酒になることでしょう。
和食とも相性抜群のクレレット、ぜひ日本でも楽しんでみてください♪
まとめ
今回は、「白ワインのブドウ品種『クレレット』の特徴は?野生のハーブ香漂う南仏の実力者」をご紹介しました。
いかがでしたか?
日本ではまだマイナーな品種。
「日本で飲まれることは少ないが、実は和食と最高に相性が良い!」なんて、一体どんなワインなのか気になりますよね。
白ワインの新しいお気に入りを探している方、ぜひクレレットのワインを試してみてはいかがでしょうか?