ギリシャ発祥の白ブドウ品種、グレコ(グレーコ)。
今では南イタリア・カンパーニュ地方を代表する高貴品種として名を馳せています。
今回は「白ワインのブドウ品種『グレコ』の特徴は?まるで赤ワインのように重厚なボディの高貴品種」をご紹介。
グレコの香り・味わい・代表的なワインなど分かりやすく解説しますよ。
え?!と驚くような変わった味わいの白ワインを探している方必見!
皆さんがグレコのワインに興味を持つきっかけになれば嬉しいです。
Contents
特徴1:「グレコ=ギリシャの」を意味する南イタリアの高貴品種
グレコというブドウ品種を聞いたことがあるでしょうか?
なんだか、日本の有名なお菓子の名前に似ていますよね。
グレコの発祥地はギリシャでありながら、今では南イタリアを代表する白ブドウに成長!
グレコという名前は、イタリア語で「ギリシャの」という意味からきているようです。
なぜ、グレコは南イタリアを代表する白ぶどうに成長したのでしょうか?
グレコは2500以上前の古代ギリシャ時代に誕生し、ギリシャ人入植者によってイタリア南部のカンパーニア州にもたらされました。
ここで、グレコは運命の土地と出会います。
カンパーニア州内陸部の火山によって形成された凝灰岩土壌(ぎょうかいがんどじょう)の性質が、なんとグレコと相性抜群!
濃厚なコク・鋭い酸味・強烈な塩気というグレコ独自の個性を与えてくれたのです。
そして生まれたのが、グレコの代表格となる最高級の辛口白ワイン「グレーコ・ディ・トゥーフォ」。
イタリアワインの格付けではDOCGという最上級の等級に格付けされ、今や南イタリアを代表するワインに成長しました。
ちなみに、グレーコ・ディ・トゥーフォはワインの名前であって、このワインを造り出すブドウの名前がグレコ。
グレーコ・ディ・トゥーフォは品種名ではないので、お間違いなく!
特徴2:グレーコ・ビアンコとは全くの別品種!正反対なワインのスタイル
グレコは南イタリアで定番の白ぶどう品種ですが、実は間違えられやすい白ブドウが存在します。
それが、同じく南イタリアが主な栽培地の土着品種「グレーコ・ビアンコ」。
グレコは「グレーコ」として呼ばれることもあるので、間違えてしまうのも無理ありませんよね...
しかし、「グレコ」と「グレーコ・ビアンコ」は遺伝子上全く関係がありません。
ちなみに、この2つの品種はワインのスタイルが正反対!
渋みが強いフルボディの辛口白ワインを生み出すグレコと、とろけるような極甘口のデザートワインを生み出すグレーコ・ビアンコ。
北極と南極くらい対極的なスタイルですよね。
このスタイルの違いを知っていれば、品種を間違えることもないのではないでしょうか!
対極的な両者のワイン、機会があれば飲み比べてみてくださいね。
特徴3:まるで白ワインの皮を被った強靭な赤ワイン。凝縮したフルボディの厚み
グレコはどんな白ワインを造り出すのでしょう?
グレコのワインの味わいを一言で表現するのであれば、まるで白ワインの皮を被った強靭な赤ワイン。
一般的な華やかでさっぱりした白ワインを想像して飲んだなら、騙されたと思うでしょう!
イタリア・カンパーニャ州の町であるトゥーフォやサンタ・パオリーナ産のグレコのワインは、深いゴールドの色合い。
見た目はもちろん白ワインですが、なんだかとろみや濃厚さを感じさせます。
香りは、熟した白桃・洋ナシ・青リンゴなどの果実香と、セージ・タイムのようなハーブ香。
そして、濡れ石・硫黄などを連想させる火山性土壌育ちならではのスモーキーなミネラル感がガツンと鼻腔をくすぐります!
味わいはなんといっても、赤ワインのようなタンニンの渋みが特徴的。
グレコは、なんと一般的な白ブドウよりも含まれるタンニン(渋みのあるポリフェノール)の量が数倍近く高いんです!
ワインを口に含むと、まずは熟した洋ナシ・アプリコットのような凝縮した果実の重みが感じられます。
次にやってくるのが、赤ワインのようなタンニンの渋み。
飲み込んだ後には、塩味(ミネラル感)と果実の皮のようなビターな余韻に包まれますよ。
通常白ワインにはあまり感じない「タンニンの渋み」要素が加わることで、一瞬オレンジワインや赤ワインかと錯覚させるのです。
面白い感覚ですよね...!
ちなみに、グレコは赤ワインのように20年以上の長期熟成も大得意。
熟成ワインは、より濃厚な口当たりで、赤ワインを熟成させた時のようなローストナッツ・キノコ・なめし革などの官能的な香りが引き出されますよ。
同じくイタリア・カンパーニャ州を代表する白ブドウ「フィアーノ」と比較されることも多いですが、その味わいは全然違います!
フィアーノは華やかで女性的な味わい、グレコは渋みのある男性的な味わい。
同じ産地を代表する白ブドウでこれほど味わいに差が出るのも興味深いですよね。
特徴4:困難を乗り越えて生まれる最高傑作「グレコ・ディ・トゥーフォ」とは?
先ほども少しお伝えしましたが、グレコの白ワインといえば最も有名なのが「グレコ・ディ・トゥーフォ」。
間違いなく、グレコのワインの最高傑作です。
その香りや味わいは、まさに火山の大地を感じさせます。
果実やハーブの奥に感じるスモーキーな鉱物の香りは、火山性土壌で育ったグレコならでは。
赤ワインかと錯覚するほどのコクと渋みに、強烈な酸味とはっきりした塩味が追いかけてきます。
さらに、飲み込んだ後に何分も続くほろ苦さが全体を包み込んでくれるのです。
白ワインの常識を覆してくれる味わいこそが、グレコ・ディ・トゥーフォの愛される理由。
ちなみに、ワインのほろ苦さが「和食」とのペアリングにもとっても人気なんですよ!
さて、最高品質のグレコ・ディ・トゥーフォですが、このワインを生み出すまでには大変な努力が隠されています...
まずブドウの栽培中には、グレコの超繊細な性質に悩まされます。
カビ病にとても弱く、熟すまでに時間がかかり、強い樹勢を抑える手入れが必要で、痩せた土地でないと水っぽいブドウになってしまいます。
これらをクリアすることで、火山性土壌由来のグレコならではの味わいが生まれます。
さらに、ワインの醸造中にも気は抜けません!
グレコは非常に酸化しやすく、すぐに褐色に変化してしまいます。
酸化を防ごうとして一歩間違えると酸欠により硫黄臭が発生するので、徹底的な温度管理・酸素管理が必要となるのです。
栽培・醸造の難しさや生産できる場所が法律で決められていることなどから、世界的にグレコ・ディ・トゥーフォの生産量はあまり多くありません。
しかし、造られ続けるのは唯一無二の味わいだから。
伝説的な女性醸造家であるマヌエーラ・ピアンカステッリ女史は、グレコ・ディ・トゥーフォについてこのような言葉を残しています。
「いとこのフィアーノに比べると、それは荒々しくて難しく、香りはより少なくて、より神経質で、解釈するのが困難。口数が少ないけれど優れた資質に満ちた、とっつきにくい少年のようだ。」と。
まさに名言の通り。
人生に一度は飲んでみたいワインです。
まとめ
今回は「白ワインのブドウ品種『グレコ』の特徴は?まるで赤ワインのように重厚なボディの高貴品種」をご紹介しました。
いかがでしたか?
普通の白ワインとは一線を画したワインの味わい、興味深いですよね!
和食との新しいペアリングを探している方。
今までと全然違う味の白ワインを飲んでみたい方。
ぜひ試してみてはいかがでしょうか?